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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月1日 No.3352 水・大気環境行政の重要課題等について聞く -環境安全委員会環境リスク対策部会

経団連は2月14日、都内で環境安全委員会環境リスク対策部会(唐津正典部会長)を開催した。環境省の江口博行大臣官房審議官から、水・大気環境行政の重要課題等について説明を聞くとともに意見交換を行った。主な説明は次のとおり。

■ 土壌汚染対策法の見直し

土壌汚染対策法の一部を改正する法律が、2017年5月19日に公布された。改正法では、土壌汚染に関する適切なリスク管理を推進するため、土壌汚染状況調査の強化を図り、都道府県知事が汚染の除去等の措置内容の計画提出を命ずるとともに、一定の要件を満たす土地の形質変更の届出および汚染土壌の処理にかかる特例制度の創設などが盛り込まれた。

第一段階施行に伴って必要となる政省令はすでに公布され、引き続き、産業界との合意形成を図りながら、第二段階施行に向けて、政省令事項等の検討を進めていく。

■ 生物を用いた水環境の評価・管理(改善)手法(WET手法)(注)

16年6月、環境省は「生物を用いた水環境の評価・管理手法に関する検討会」を設置し、17年度には、パイロット事業を進めつつ、WET手法に関する検討課題のうち、技術的・専門的な事項について検討するワーキング・グループを立ち上げた。今後、ワーキング・グループでの検討、パイロット事業の進捗などを踏まえ、同手法を用いる場合の活用のあり方などについて検討を深め、18年度をめどに中間的に取りまとめることを予定している。

■ 海洋ごみ対策

海洋ごみに関する都道府県や市町村等の地域計画の策定や回収等に対し、17年度補正予算で27億円の措置を講じている。海洋ごみ対策は国際的に注目されており、15年のG7エルマウ・サミットでの首脳宣言以降、海洋ごみが世界的な問題であることが確認されている。

■ 騒音・振動・悪臭等対策

再生可能エネルギーの普及とともに、近年、風力発電施設の増設が進んでおり、発生する騒音等への対応について社会的な関心が高まっている。このため、騒音等の調査・予測・評価手法等について検討を実施し、指針と測定マニュアルを17年5月に公表した。

<意見交換>

その後の意見交換では、改正土壌汚染対策法に関し、政省令改正により円滑な事業運営に支障を来すことがないよう求める意見が出された。また、大気汚染の問題については、科学的根拠に基づく規制とすることが重要であるとの考えが表明された。WET手法については、パイロット事業の結果を踏まえた費用対効果の明示や、事業者が自主的・選択的に活用する方向で検討していくことが重要との意見が出された。

これらに対し、環境省からは、産業界との合意形成を図りながら検討を進めていきたいとの回答があった。

◇◇◇

このほか、17年度の経団連規制改革要望案として、環境リスク分野に関する要望3件、危険物・保安分野に関する要望3件が審議され、いずれも承認された。

(注)WET手法=希釈した排水の中で、藻類・ミジンコ類・魚類の水生生物の生存、成長、生殖に与える影響を測定し、工場・事業場からの排水全体が有毒かどうかを評価する手法

【環境エネルギー本部】

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