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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月1日 No.3352 ワシントンで真摯に討論する各州知事にNAFTAの意義を訴える -ワシントン・リポート<31>

フィル・ブライアント・ミシシッピ州知事と懇談

トランプ政権のもとで各州知事の役割が一層注目されるなか、2月24日に全米知事協会の冬季会合がワシントンDCのホテルで開かれた。同協会は、1908年に設立された全米知事会議が起源といわれ、今年が110周年になる。

議長を務めるブライアン・サンドバル・ネバダ州知事は開会あいさつのなかで、新たに知事に当選し協会メンバーとなったフィル・マーフィー・ニュージャージー州知事とラルフ・ノーザム・バージニア州知事を紹介した後、マルコム・ターンブル豪州首相を筆頭とする同国各州首相から成る代表団をはじめ諸外国からのゲストを歓迎した。

冒頭の全体会議「国際」では、豪州の各州首相と米国の知事がお互いの抱える問題などについて、国境を越え州レベルで活発な意見交換を行った。休憩を挟み第2全体会議「食料・農業の将来」に戻ると、知事席にも聴衆席にも空席が多いことが気になった。

ところが、第3全体会議「オピオイド(麻薬性鎮痛剤)クライシス」になると、続々と知事も聴衆も集まり、問題の深刻さ、関心の高さに驚いた。同協会の常設委員会の1つである保健・社会福祉委員会のチャーリー・ベーカー委員長(マサチューセッツ州知事)の議事のもと、ケイト・ブラウン副委員長(オレゴン州知事)がプレゼンテーションを行い、続いて、マット・ベビン・ケンタッキー州知事、ロイ・クーパー・ノースカロライナ州知事、ビル・ウォーカー・アラスカ州知事、ダグ・バーガム・ノースダコタ州知事らが、各州におけるオピオイドの過剰摂取による死者数、遺族の悲劇などについて発言し、解決に向けた政府、病院、患者の対応の重要性を指摘した。

2日目には、「イノベーション」「経済開発」「退役軍人」「職業教育」に関する全体会議が開かれ、活発な議論が続けられた。

今回の会合に際し経団連では、USCIB(米国国際ビジネス協議会)と連名で、NAFTAの重要性を訴えるレターを作成し、全州知事に送付した。あわせて、開幕前夜にメキシコ文化会館で開催された夕食会において、フィル・マーフィー・ニュージャージー州知事、ゲリー・ハーバート・ユタ州知事、冬季会合会場にて議長のサンドバル・ネバダ州知事はじめ19名の知事に直接訴えた。会合の合間やレセプションのさなかにもかかわらず、どの知事も話を熱心に聞いてくださり、「I'm OK(支持する)」「大統領に伝える」という発言があった。

さらに、25日午前にはフィル・ブライアント・ミシシッピ州知事が個別会合に応じてくださったため、住友商事、トヨタ自動車、日立製作所の関係者の参加も得て、ホテル内で懇談した。同日夕刻には、エスター・リー・バージニア州商務貿易長官とも同様の会合を持った。

今回の議論や働きかけを通じて、米国の州知事が大きな権限と責任を持っていること、それゆえに、われわれの話にも耳を傾け、現場の課題に真摯に取り組んでいることを再認識した。

(米国事務所長 山越厚志)

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