Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月29日 No.3387  アルジェリア経済セミナーを開催 -日本からの投資拡大に向けて

経団連は11月7日、都内で日本貿易振興機構(ジェトロ)、駐日アルジェリア大使館と共催で、アルジェリア経済セミナーを開催した。

セミナーでは、最新のアルジェリアの投資・ビジネス環境について紹介するとともに、投資の拡大に向けた課題などを話し合った。アルジェリアからユセフ・ユースフィー産業・鉱業大臣をはじめとする約40名の代表団が出席し、14年ぶりの大規模な代表団の訪日となった。

アルジェリアは豊富な天然資源や4000万人を超える人口に加え、1人当たりGDPも4000ドルに達するなど、アフリカにおいて重要な市場となっている。また、ヨーロッパと北アフリカへのゲートウエーとしての地理的優位性もあることから、ビジネス拠点としての魅力も備えている。

こうしたことも背景に、近年、アルジェリアは資源に依存する経済から脱却するため産業の多角化を目指し、自動車、医薬品、情報技術産業などの誘致に力を入れてきた。しかし、輸入制限措置や、外資規制、行政手続きの遅れなどが課題となって日本からの投資は増えていない。

佐藤委員長

ユースフィー産業・鉱業相

開会あいさつした経団連の佐藤雅之日本アルジェリア経済委員長は、アルジェリアのポテンシャルを活かし、貿易・投資交流を拡大するためには、アルジェリアにおけるビジネス・投資環境の改善が必要であると指摘。そのうえで、「まずは輸入制限措置の廃止、外資規制の緩和等の貿易・投資の自由化、法制度や運用の公正・透明性・予見可能性の確保、労働許可証などの行政手続きの簡素・迅速化を進めることが必要である。これらの点に関しては、昨年、6年ぶりに交渉が再開された投資協定を充実した内容で早期に締結できるよう、今後の両政府の尽力をお願いしたい。このほか、通信分野等の産業活動や生活の基盤となるインフラの整備、技能人材の育成や安全・安心の確保等が進めば、産業の多角化、高付加価値化を目指す政府の取り組みに貢献できると考えている」と述べた。

これに対し、ユースフィー産業・鉱業相は、「アルジェリア政府は産業の多角化の実現に向けて必要なインフラ整備を進めている。行政手続きの簡素化やビジネス環境改善には引き続き取り組む。例えば昨年、アフリカ最大の繊維工場が稼働し、6割の製品が輸出向けとなっている。自動車なども国内生産が進み、今後はこれら自動車の裾野産業を誘致していきたい。日本の投資家には、アルジェリアでの投資機会をつかんでほしい。また、佐藤委員長から指摘された課題についても改善していきたい。化学、産業機械、電子工学、医薬品といった多くの分野で日本企業と協力していきたい」と発言した。

続いて行われたパネルディスカッションでは、アルジェリアに進出している企業などから、現地で行っているビジネスと今後の展望について説明があった。

【国際協力本部】