Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年1月1日 No.3390  働き方改革セミナーを長野、東京で開催 -働き方改革 toward Society 5.0

経団連は「働き方改革セミナー in 長野」「働き方改革実践セミナー~KPIを活用した取り組み」をそれぞれ開催した。

働き方改革セミナー in 長野

11月26日、長野県経営者協会とともに長野市内で開催した「働き方改革セミナー in 長野」には、企業経営者を中心に約200名が参加した。

■ 経団連の働き方改革の取り組み

基調講演を行う冨田副会長

基調講演として、冨田哲郎副会長・労働法規委員長が登壇し、経団連の働き方改革の取り組みについて紹介した。

日本の経済的発展と国内外の社会的課題を解決するために、わが国は「Society 5.0」を実現することが求められており、その実現に向けた重大な要素が、働き手・企業・社会の「三方よしの働き方改革」であることを解説したうえで、経団連が推進している「働き方改革 toward Society 5.0」の取り組みについて紹介した。

■ 長野県の地元企業3社による好事例の紹介

企業講演では、長野県の企業3社(シナノケンシ、エムケー精工、大日本法令印刷)が働き方改革の取り組み事例を紹介した。

業務可視化ツールを導入し、従業員の業務効率化につながった事例や、従業員の声を踏まえた取り組みを行うことで、新卒採用のエントリー数増加に寄与した事例紹介があった。また、働き方改革の推進においては、労働時間の削減だけでなく、メンタルヘルス対策など社員の心身の健康に寄与する取り組みも重要であることが示された。

■ 働き方改革推進のポイントについて意見交換

プログラム後半では、松本大学の上野隆幸教授をファシリテーターに、事例紹介企業3社による意見交換が行われた。

活発な意見交換がなされるなかで、経営層のトップダウンで取り組みを進めていくこと、どんな小さな取り組みでもまず試行し、小さな成功体験を積み重ねていくことが、働き方改革推進のポイントとして示された。

働き方改革実践セミナー~KPIを活用した取り組み

12月13日、東京・大手町の経団連会館で開催した「働き方改革実践セミナー~KPIを活用した取り組み」には、企業の人事担当者を中心に約150名が参加した。日本ユニシス、日立キャピタル、KDDIの3社が働き方改革の取り組みを説明した後、事務局から働き方改革アクションプランの策定・見直しを呼びかけた。

日本ユニシス・白井氏

■ 日本ユニシス

生産性向上とイノベーションを喚起する風土の醸成を目標に掲げ、フリーアドレス拡大やサテライトオフィス利用促進、残業メリハリ・年休取得推進運動などを展開している。働き方改革を推進するにあたっては社員の声を聞きながら取り組みの効果をモニタリング、フィードバックしていくことで継続的に改善していくことが重要である。

日立キャピタル・栗野氏

■ 日立キャピタル

労働時間削減により創出した時間を社員が自己研鑽に活用することで、会社の成長につなげるというトップメッセージのもと、時間外労働削減や、自己研鑽に対するインセンティブ制度を実施している。社長や経営層自らメッセージを発信し、社員の生産性向上に対する意識を醸成していくことが重要である。

KDDI・間瀬氏

■ KDDI

生産性の高い働き方へのシフトを実現するため、「働き方変革」として勤務間インターバルの導入やテレワークの推進、オフィススペースの改善に取り組んでいる。働き方変革を推進するにあたっては、新しい価値観を受け入れ、柔軟に行動変容できる組織風土、ダイバーシティが重要である。

■ 働き方改革アクションプラン

働き方改革アクションプランは、KPIと取り組み施策を策定することでPDCAサイクルを回しながら働き方改革を推進することをねらいとしている。来年度に向けて、会員企業に対しアクションプランの策定・見直しをあらためて要請した。

※ アクションプラン策定のための帳票は経団連ウェブサイトからダウンロード可能

【労働法制本部】