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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年4月18日 No.3405 公有地における民間主導のまちづくりについて紫波町から聞く -地域経済活性化委員会企画部会

経団連は3月29日、東京・大手町の経団連会館で地域経済活性化委員会企画部会(田川博己部会長)を開催し、岩手県紫波町の鎌田千市企画主幹兼地域開発室長から、公有地における民間主導のまちづくりについて、同町の取り組み事例をもとに説明を聞くとともに懇談した。
説明の概要は次のとおり。

紫波町は岩手県の中央に位置する人口3万3千人の小さな町である。平成の合併は行わずに、環境・循環型のまちづくりを進める決断をしたものの、2007年当時、10.7ヘクタールもの未利用町有地を抱える一方で、財政難から庁舎、図書館等の自力整備のめどが立たない状況にあった。

藤原孝前町長は、こうした状況を打破すべく、公民連携により開発を進めることを宣言し、取り組みが始まった。構想・計画の段階から民間の知恵と資金を取り込み、さらに、市民の意向と市場の判断を仰いだうえで基本計画をまとめた。この基本計画は、議会において59回(10年間)もの調査特別委員会の開催を重ねるなかで議決されており、ブレることなく計画が進められてきた。

図書館の整備の際には、第三セクターと協定を結び、民間主導で官民複合施設とすることとした。過剰な投資とならないよう第三セクターが事前にテナントを決め、稼ぐ仕組みを考えたうえで建設をし、その後、町が建物中央の公共部分を買い取るかたちとした。結果、当初の図書館建設予算を下回る、大幅なコスト削減が実現した。同時に、年間80万人もの来場者を集める施設となり、図書館の運営資金を、民間に貸す土地代と建物の固定資産税をもって充てるという「稼ぐインフラ」が実現している。

また、PFIによる庁舎の建設や、民間によるホテルと体育館の開発、宅地分譲など、公民連携のさまざまな取り組みにより、町有地の開発が進められた。

同プロジェクトは、民間が主となり30万人の普遍的な集客を目指して取り組みが始まった。30万人の集客が実現されれば、おのずとカフェや居酒屋など付帯サービスが成立し、訪問者が生まれてエリアに活気が出てくる。そうなれば、少々高い不動産であっても購入されるようになる。同プロジェクトの施設には、現在、年間で96万人もの来場があり、6年間で地価公示価格は8.29%上昇した。

まちづくりのKPIは不動産価値の上昇であり、稼げる土地とすることで、町の価値を上げていくことが重要である。

【産業政策本部】

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