1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2019年5月16日 No.3407
  5. 新ポピュリズムと米中関係の現状を聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年5月16日 No.3407 新ポピュリズムと米中関係の現状を聞く -アメリカ委員会連携強化部会

左からグレイグ氏、バーグナー氏

経団連のアメリカ委員会連携強化部会(吉川英一部会長)は4月18日、東京・大手町の経団連会館で第1回となる会合を開催し、米国の公共政策に関するコンサルティング会社であるグローバル・ポリシー・グループ・プレジデントのダグラス・バーグナー氏とチーフ・エグゼグティブのイアン・グレイグ氏から、ポピュリズム、米中関係や2020年の大統領選挙の予想などについて説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 世界で台頭するポピュリズム

世界に目を向けるとポピュリズムを掲げるリーダーが急増している。ポピュリズムは中南米や中欧で盛んであったが、いまや全世界に広がっており、もともと活動が盛んであった途上国にとどまらず、先進国においても勢いを増している。また、従来はエリートを批判することがポピュリズムの典型であったが、近年は、移民やアウトサイダーなど、自身より弱い立場の者を非難する傾向がみられる。

こうした「新ポピュリズム」といわれる思想の持ち主たちに支持されるトランプ大統領は、エリートたちがコミットした自由貿易に反対しTPPから離脱し、一方的な制裁、関税を賦課するなど貿易に制限を加え、WTOの枠組みすら否定している。

他方で、国境問題や移民問題に焦点を当てたツイートを頻繁に発し、米国民の危機感を煽り、反移民感情をかき立てている。ポピュリズムを掲げるリーダーはほかにもいるが、彼ほど伝統や既存システムに縛られず、自身を支持する層のためだけに発言・行動する大統領は、歴史上類をみない。

■ 深刻化する米中関係

中国は近年動きをますます活発化させ、南アジア、アフリカやベネズエラにまで進出しており、米国の背後にまでその影響力は迫っている。世界における中国の影響力が拡大するとともに、米中対立は深刻さを増しており、今後も動向を注視しておく必要がある。

米国では昨年、国防権限法(NDAA)が制定され、そのなかには輸出管理改革法(ECRA)と18年外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)が含まれるが、これらは、ファーウェイやZTE等の中国企業を念頭に置いている。しかし、これらの規制によって影響を受けるのは中国企業のみではない。5G社会を見据え、米国による機微技術に関する規制は今後も一層厳格化する見込みとなっており、米国で事業活動を行う日本企業にも大きな影響を与えることが予想されるため、注意が必要だ。

■ 2020年大統領選挙の予想

20年の大統領選挙について、トランプ大統領が再選されるかどうかは民主党の候補者次第と考えている。現時点で12名以上が民主党の候補指名争いに立候補しており、今後も増える見込みである。注目すべきは6月のディベートであり、ここで民主党の候補者も10名程度まで絞られるだろう。トランプ大統領も再選に向け着々と準備を進めており、今後、両党の動きが活発化していくものと思われる。

今年、トランプ大統領は5月に国賓として、さらに6月にもG20大阪サミット参加のため来日する予定である。世界を見渡しても安倍首相ほどトランプ大統領と良好な関係を維持しているリーダーはいない。引き続き良好な日米関係が継続することを期待している。

【国際経済本部】

「2019年5月16日 No.3407」一覧はこちら

「週刊 経団連タイムス」一覧はこちら