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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年5月16日 No.3407 「中国の産業競争力・Technologyの展望」 -21世紀政策研究所が中国セミナー開催

21世紀政策研究所は4月17日、東京・大手町の経団連会館で、中国情勢に関する研究プロジェクト(研究主幹=川島真東京大学教授)による、中国情勢に関するセミナー「中国の産業競争力・Technologyの展望」を開催した。中国の技術力やイノベーションの動向が注目されるなか、中国テクノロジーやベンチャー企業の最新状況を報告した。パネルディスカッションでは、川島研究主幹をモデレーターとして、中国のイノベーションや新技術をめぐり、日本はどのように関わるべきか議論された。概要は次のとおり。

■ 「中国企業の革新が提起する問題群~コア技術内製化、社会実装、米中摩擦」
伊藤亜聖研究委員(東京大学社会科学研究所准教授)

中国はこの5年間でベンチャー企業が大きく伸びている。ベンチャー企業は深圳だけでなく、北京や内陸部でも増えている。現地の調査から、その背景にあるものは「試行錯誤」がさまざまに行われているといえる。例えば、わずか3カ月で地下鉄の乗り方が変わる、オープンしたばかりの無人コンビニが閉店するなど、短期間で潔く退くことも少なくない。ベンチャー企業家の旺盛な起業家精神がこれを後押ししている。

しかし、中国のイノベーションはエレクトロニクス、通信分野に限られる。日本の産業界はSociety 5.0を目指すなかで、中国での多様なIoTサービスの成功と失敗、どちらも学ぶ必要がある。

■ 「中国におけるベンチャー業界の変化、中国の科学技術観」
高口康太氏(ジャーナリスト)

中国は2014年に技術、金融、政策の3つの転換期が一致し、新たな局面を迎えた。技術面では4GLTEが開通し、キャッシュレスをはじめ、さまざまなサービスがモバイルインターネットを通して一気に普及した。金融面では、法改正でスタートアップ企業への投資が増えた。政策面では「インターネットプラス」行動計画によりデジタル転換が示された。しかし、この3つの要素はいま転換期を迎えており、米中貿易摩擦で今後の方向性が変わることも予想される。中国はポストモバイルとして次の技術(AI、ブロックチェーン、クラウド、ビッグデータ、IoT)のさらなる開発を急いでいる。

先進国ではAIをネガティブにとらえ、新しい技術にブレーキをかける一面がある。一方、中国はテクノロジーの進化で社会も生活も格段に改善された。そのため新しいテクノロジーを楽観的に受け入れる傾向が強く、AIの時代にはその楽観性の強さは中国の強みとなるだろう。

<パネルディスカッション>

「新興国×デジタル化」という新しい動きに対して各国、各社が模索するなかで、日本はどう対応していくのかが重要になるだろう。 また、オープンイノベーションやAI社会に向けて産業面、社会面で新しいルールが急速につくられようとしており、それを先進国中心に行うのか、中国を組み込むのかは今後の大きな論点である。

【21世紀政策研究所】

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