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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年5月23日 No.3408 隅副会長が「日経SDGsフォーラム」で講演 -B20東京サミット共同提言等を紹介

講演する隅副会長(提供:日本経済新聞社)

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業の取り組み支援の一環として、「日経SDGsフォーラム」(日本経済新聞社・日経BP主催、経団連ほか後援)のシンポジウムが5月8日、都内で開催された。

経団連(中西宏明会長)からは隅修三副会長が登壇し、約1000名の聴衆を前に、「Society 5.0を通じたSDGs達成に向けたB20東京サミット共同提言」と題する基調講演を行った。講演の概要は次のとおり。

■ B20議長団体としての取り組み

経団連では、来る6月のG20大阪サミットに先立ち、3月14~15日、B20東京サミットを開催した(3月28日既報)。20カ国の経済界等の意見を集約して共同提言を取りまとめ、G20議長である安倍晋三首相に手交した。

■ Society 5.0 for SDGs

B20東京サミットの全体テーマは「Society 5.0 for SDGs」である。社会課題の解決や自然共生を目指すSociety 5.0は、国連が採択したSDGsと軌を一にする。SDGsの17の目標の達成こそが、Society 5.0時代に目指すべき方向である。

世界情勢が不確実性、不透明性を増すなか、民間の技術やノウハウ、資金等を地球規模課題の解決に活かす「Society 5.0 for SDGs」のアプローチこそ、B20の中心テーマにふさわしいと考えた次第である。

■ B20共同提言の概要

B20東京サミット共同提言では、まず世界経済の基本認識と未来社会のビジョンを示している。そのうえで、課題克服のためには、より一層の政策協調の推進等を通じて、ルールに基づく自由、公正で開かれた国際経済秩序を強化する必要があることをうたっている。

また、SDGsを支持する姿勢を旗幟鮮明にしつつ、イノベーションを推進し、経済発展と雇用のエンジンとなる企業こそが、SDGsの実行に向けた取り組みを加速しなければならないとしている。

さらに、「Society 5.0 for SDGs」を実現するための具体的な政策・施策は、「B20東京サミット7原則」((1)持続可能性 (2)包摂性 (3)未来志向 (4)ビジネス主導 (5)透明性 (6)ルールベース (7)多国間志向)に基づいて実施、モニターすべきだとしている。そのうえで、「デジタル革新」「貿易・投資」「エネルギー・環境」「質の高いインフラ」「雇用・労働」「健康・福祉」「清廉性」といった政策課題について具体的に要望している。

他方、政府に要望するだけではなく、企業自身の責任ある具体的な取り組みとして、「SDGsの企業戦略への統合」等を柱とする「B20企業自主行動計画」を掲げている。また、G20各国のグローバル企業の具体的な取り組み事例(英文)を取りまとめているのも大きな特徴である。

■ サミット後のフォローアップ

B20東京サミットは終了したが、G20大阪サミットに向けた働きかけは、これからが本番である。経団連では、貿易・デジタルやエネルギー・環境等の閣僚会合等を通じて、B20の要望実現に向けて取り組んでいく。また、サミットでの成果も踏まえ、グローバルなルールづくりやSDGsの達成、ひいては、世界経済の持続的な発展に貢献していく所存である。

【国際経済本部】

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