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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年7月11日 No.3415 東京におけるスマートシティ実現の取り組みについて意見交換 -都市・住宅政策委員会企画部会・PPP推進部会

経団連は6月20日、東京・大手町の経団連会館で都市・住宅政策委員会企画部会(安達博治部会長)・PPP推進部会(竹内俊一部会長)合同部会を開催した。

今年5月に国土交通省が選定したスマートシティ先行モデルプロジェクトのうち、東京都内の「豊洲地区」ならびに「大手町・丸の内・有楽町(大丸有)地区」の取り組みについて、それぞれ清水建設の那須原和良常務執行役員LCV事業本部長および三菱地所の重松眞理子開発推進部ユニットリーダー都市計画室長から説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 豊洲地区(清水建設)

豊洲地区では、官民学連携データの利活用による、誰もが快適で活力に満ちたQOL(Quality of Life)の高いまちづくりを通じて、Society 5.0とSDGsに貢献することを目指し「豊洲スマートシティ推進協議会(仮称)」を立ち上げる。事務局を務める当社と三井不動産のほか、豊洲関連企業、技術提供企業が参画。同協議会を通じて江東区・東京都や東京大学とも連携していく。

こうした体制のもと、「都市課題解決・行政サービス進化」「QOLや利便性・快適性の向上」「地域コミュニティーの強化」という3つの視点から、分野ごとに、豊洲地区が抱える課題やニーズに対応する取り組みを展開している。

例えば、交通分野では、移動にかかわるオープンな交通データ基盤を整備。交通渋滞情報の可視化等を実現し、豊洲駅の混雑等の課題の解決を目指す。

生活分野では、利用者に便利なキャッシュレスインフラをエリア全体で整備。飲食店の混雑を軽減するとともに、購買データ活用により情報発信・プロモーションの最適化を図ることで、インバウンドの増加にも対応する。

こうした取り組みの基盤として、江東区・東京都、大学・研究機関とともに、官民学連携データプラットフォームを構築する。データ収集と管理については、情報セキュリティーやプライバシーに配慮し、情報銀行の仕組みを導入する。

今後、国交省が選定したスマートシティ推進パートナーとも連携し、成果を共有しながら、「豊洲モデル」を江東湾岸エリアから江東区全体、臨海部周辺へ展開していく。

■ 大丸有地区(三菱地所)

大丸有地区では、エリアマネジメント団体の「大丸有まちづくり協議会」と千代田区、東京都でコンソーシアムを組んでスマートシティ化を進めている。社会の変化に迅速に対応しつつ、エリアのポテンシャルを最大限活かして日本の成長を牽引する街を実現する。また、都心の既成市街地においてスマートシティモデルを実現し、国際的な評価の獲得を目指す。

具体的には、エリアマネジメント団体が中心となって、都市データの分析結果や実証実験の結果を共有し、次のまちづくりにつなげていく「データ利活用型エリアマネジメントモデル」を確立する。そのために、まずはエリアマネジメント団体主導で、エリアにかかるデータの情報(内容、保存形式、収集方法等)を整理した「データライブラリー」を整備していく。

こうした基盤を整備するとともに、個別事業にも取り組んでいく。例えば、屋内(地下空間)における人流データベース構築を含む「都市OS」は、災害時、人々に適切な避難状況を伝えるだけでなく、災害時以外の活用も想定している。また、来街者の利便性・快適性向上に向けて、屋内外を問わずパーソナルモビリティーで移動できる環境を実現すべく、公道でのモビリティー走行の実証実験などを行っていく。

【産業政策本部】

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