経団連のヨーロッパ地域委員会(越智仁委員長、佐藤義雄委員長)は9月20日、東京・大手町の経団連会館でブルガリアのリリヤ・イヴァノヴァ経済副大臣との懇談会を開催した。
今年は日本とブルガリアの交流開始110周年、外交関係樹立80周年、外交関係再開60周年が重なる「3つの周年」である。両国間の経済関係強化に向けて来日したイヴァノヴァ副大臣は、企業誘致に関する同国の取り組みを説明し、日本企業による投資や貿易の促進を求めた。発言の概要は次のとおり。
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ブルガリアの政治・経済にとって日本は重要な国であり、経済関係においては投資と貿易の促進が優先事項である。外国企業にとって、投資環境には優れている点が多い。
ブルガリアはEU、ロシア、トルコ、中東の市場から近く、外国企業の中継地として地理的な優位性がある。EU加盟国のなかで税率は最も低く、法人税は10%、所得税は10%、配当税は5%である。投資促進法に基づき、政府は優先プロジェクトに対して財政的な支援を行う。
近年、政府の支援により、海外からICT産業や自動車産業の関連企業を誘致している。両産業はともに利益が高い分野である。
国内のICT産業は毎年27%成長しており、過去7年間で利益は3倍に増えた。労働者数は5万1千人であり、ICT教育が充実しているため優秀な人材が多い。外国企業にとって、ICT分野のアウトソーシング先として魅力的である。
自動車産業については、国内で230社以上の関連企業が活動しており、労働者数は6万5千人である。すでに自動車の部品や機器を製造する日本企業が進出している。将来、自動車本体を製造する日本企業に進出してもらえたら光栄である。
加えて、農業、機械、医療品、医療機器などの分野において、日本企業による投資を期待している。
今年2月1日に日EU経済連携協定(EPA)が発効し、EUから日本への輸出品の関税の97%が撤廃された(注)。日EU EPAにより、ブルガリアから日本に関税0%で輸出できる製品が多数ある。ヨーグルトやバラといった伝統的な輸出品に加え、ワイン、チーズ、ハーブなどの農産品の輸出を増やしたい。
(注)日本からEUへの輸出品の関税は99%が撤廃された
【国際経済本部】