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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年10月24日 No.3428 人権のためのビジネス・リーダーシップについて聞く -企業行動・SDGs委員会

経団連は10月9日、東京・大手町の経団連会館で企業行動・SDGs委員会(二宮雅也委員長、津賀一宏委員長、中山讓治委員長)を開催し、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)のピーター・バッカーCEOから「人権のためのビジネス・リーダーシップ」をテーマに説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 法令遵守を超えた行動が求められるサステナビリティ

企業が人権に取り組むうえで基準文書となっている、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」では、企業には人権を尊重する責任が求められている。人権も含め、サステナビリティに関する事項は法的責任の範囲にとどまらず、バリューチェーンにおける取り組みも問われる。企業がとるべきアクションは、人権を尊重することに関する方針の策定と浸透、人権デューデリジェンスの実施、人権侵害が発生した場合の救済の3つだが、すべてのプロセスにおいてステークホルダーとの意義ある対話を組み込むことが重要である。

企業は、バリューチェーンのいかなる段階においても人権に対してプラスとマイナスの影響をもたらす可能性がある。こうした人権への影響を、事業活動全般にわたって分析・評価し、人権侵害が発生した場合にはそれを軽減・救済するという継続的プロセス、すなわち人権デューデリジェンスが意義ある活動の基盤になる。

■ 変化するビジネスと人権に関する情勢

ビジネスと人権に関する法規制やイニシアティブが世界中で次々に実施されており、情勢は日々変化している。また、インターネットやSNSにより透明性が高まる社会では、バリューチェーンにおける児童労働や強制労働などのマイナス情報は一瞬にして世界を駆け巡る。そのため企業にとっては、個々の国の法令遵守を超えて、グローバルな視野と未来志向で先手を打つことが重要になっている。WBCSDの人権に関するCEOガイドには、自社の方針や活動がグローバルなバリューチェーンに大きな影響を与えている企業のリーダーからの前例のない果敢なメッセージが掲載されている。これらのメッセージが、日本企業が人権という重要課題に取り組むうえで参考になることを期待している。

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「人権に関するCEOガイド」表紙イメージ

会合にあわせて、WBCSDは「ビジネスと人権に関するCEOガイド」の日本語版を公表した。日本語版の作成にあたり、経団連と地球環境戦略研究機関(IGES)が協力している。同ガイド(日本語版)は経団連SDGs特設サイトからダウンロード可能。
https://www.keidanrensdgs.com/home-jp

【SDGs本部】

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