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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年11月7日 No.3430 バビシュ・チェコ首相との懇談会を開催 -イノベーション戦略を推進するチェコに日本企業の投資を期待

バビシュ首相(右)と片野坂副会長

経団連は10月24日、東京・大手町の経団連会館でチェコのアンドレイ・バビシュ首相との懇談会を開催した。経団連側からは片野坂真哉副会長、清水章ヨーロッパ地域委員会企画部会長らが出席した。

バビシュ首相は企業誘致における同国の優れた点やイノベーション政策について説明し、来年の両国交流100周年に向けて日本との関係強化に期待を示した。バビシュ首相の発言の概要は次のとおり。

◇◇◇

日本を訪れるのは初めてであるが、1982年に貿易会社に勤めていたとき、日本の総合商社と取引をしたことがある。首相になる前は、実業家として企業を経営していた。

日本企業の貢献により、わが国はヨーロッパの未来のための国になれると考えている。現在、266社の日本企業が投資を行い、国内で5万1000人以上を雇用している。昨年11月、トヨタ自動車が、フランスのPSAグループとの合弁会社であるTPCA(トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ)を完全子会社にすることを発表した。日本企業によるわが国への進出は喜ばしいことである。

チェコはヨーロッパで最善の投資先である。経済が安定しており、今年10月に信用格付け機関のムーディーズは、わが国の格付けをベルギーと同じ評価に引き上げた。最近5年間は税制が変更されておらず、投資家にとっての予見可能性が高い。加えて、チェコは世界で7番目に安全な国である(注)

政府は、一定の条件を満たす外国企業の投資に対して優遇措置を提供してきた。しかし、投資戦略を見直し、政府が支援する対象について、付加価値が高い案件という条件を定めた。

チェコ人は勤勉かつ手先が器用で、創造力に富んでいる。実際に、4000社以上のドイツ企業がチェコで事業を展開しており、その多くがわが国に研究センターを設立している。

わが国の国家戦略である「Industry 4.0」(2016年8月閣議決定)は、IoTやAIなどの革新的技術を活用する日本の「Society 5.0」に相当する。AIの開発、デジタル化の推進、大学との連携などに向けて、両国間の協力を推進したい。

加えて、今年1月に政府は「イノベーション戦略」を策定し、30年に向けてハイテク技術やAIの開発を推進している。国内では失業率が非常に低く、労働力が不足しているため、機械やロボットに仕事を代替させることを目指している背景がある。

(注)世界平和度指数(Global Peace Index)2018年版

【国際経済本部】

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