経団連は11月13日、仙台市内で宮城県経営者協会(海輪誠会長)とともに「働き方改革セミナーin宮城」を開催した。企業経営者、担当者約130名が参加した。
■ 基調講演「三方よしの働き方改革」
冨田哲郎副会長
海輪宮城経協会長のあいさつに続き、冨田哲郎経団連副会長・労働法規委員長が経団連の働き方改革の考え方を説明した。
冨田副会長は、経済成長と社会的課題の解決を両立するために、「Society 5.0」を実現する必要があり、これに向けて働き方改革の推進が求められると述べたうえで、経営者にとって一番大切なことは、働く社員に「幸せな働き方」「働きがい」を提供することであると指摘。社員よし、企業よし、社会よしの「三方よし」の働き方改革を目指すことの重要性を強調した。
■ 特別講演「多様な社員を活かす働き方改革」
今野浩一郎学習院大学名誉教授
今野氏は、無制約社員を前提とした伝統的人事管理は限界を迎えていると指摘。育児・介護などの制約を抱える社員がいることを前提とした労使の対話を通じた新たな評価制度・報酬制度の構築を呼びかけた。
■ 働き方改革の好事例の紹介
企業講演では、経団連会員企業2社が自社の取り組みを紹介した。
東京石灰工業の菊池宏行社長は、仕事の質を上げることを目標に掲げ、トップダウンで作業工程の見直しや使用機械の合理化等を進め、労働時間の削減・生産性向上を実現させたと説明。
サニーサイドアップの谷村江美社長室室長は、社員の声に積極的に耳を傾け、さまざまな特別休暇や自己啓発支援制度を創設。社員がライフスタイルを充実させることで新しい発想や知見を得て、PR企業としてのサービス向上につなげた例を紹介した。
■ 働き方改革推進のポイントについて意見交換
今野氏をファシリテーターに、講演企業2社と地元企業、専門家(弘進ゴム社長・西井英正氏、藤崎執行役員・須田ゆう子氏、社会保険労務士・小野寺敦氏)により働き方改革推進のポイントについて活発な意見交換が行われた。
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総括では、働き方改革には(1)インプットを適正化し、生産性向上によって社員の働きやすさを実現していく側面と、(2)社員の働きがいを高めることでアウトプットが増加し生産性向上につながる側面があることが共有された。
【労働法制本部】