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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年1月30日 No.3440 在ロシア日本センター所長との懇談会を開催

経団連の日本ロシア経済委員会(朝田照男委員長)は1月17日、日本政府が日露経済交流促進を目的とし、ロシア国内6カ所に設置した日本センターの各所長との懇談会を都内で開催した。各所長の説明の概要は次のとおり。

■ 濵野道博モスクワ所長

2019年も8項目の「協力プラン」(注)を踏まえ、中小企業交流の拡大に注力した。とりわけ、親和性が高い医療とITを組み合わせたイベントの実施を通じて、日本の医療機器メーカーの進出を期待している。

また、ロシア政府はカイゼンを梃子にした生産性向上に関心を示しており、昨年11月にモスクワのスコルコヴォ(ロシア版シリコンバレー)で、「カイゼン国際会議」を開催した。当センターも、研修等を通じたカイゼンの普及活動を推進していきたい。

■ 佐竹昭彦サンクトペテルブルク所長

大阪市との姉妹都市関係をはじめ、日本の各都市との地域間交流が活発な当地は、自動車産業が盛んである。

また、理科系の大学が多いことから、ITが有望な産業分野の一つである。昨年11月に国際イノベーションフォーラムが開催された際には、中小企業支援の一環として、ジャパン・パビリオンを出展するとともにビジネスマッチングを実施した。

■ 椚田豊ニジニ・ノヴゴロド所長

来年、創建800周年を迎えるボルガ川沿いの当地では、自動車分野の企業進出が多い。連邦政府時代に生産性向上を担当していたグレブ・ニキーチン知事のもと、設立予定のロシア科学教育アカデミーの内部に「生産性向上大学」の設置が構想されている。21年には国家プロジェクトの推進を目的とする国際経済フォーラムが新たに開催される予定である。

■ 石畠康充ハバロフスク所長

成田から2時間半の当地は、与党(統一ロシア)の影響が及ばないユニークな地域であるが、野党(自由民主党)知事を抱えるがゆえに、インフラ整備等に関して、連邦政府の政策の恩恵にあずかることが困難という側面がある。一方で、昨年11月に大型ショッピングモールが開業するなど、大型消費時代の到来を実感している。

日本企業も、空港や予防医療センター等の事業を通じてプレゼンスを発揮しているものの、ウラジオストクとの差は明白である。ぜひ、当地にも来ていただきたい。

■ 向井一良ウラジオストク所長

当地は、12年のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議以降、毎年9月に開催される東方経済フォーラムを軸に発展を続けている。特に、安倍晋三総理大臣が毎年同フォーラムに参加することによる人的交流のインパクトは大きく、今年2月以降の日本航空や全日本空輸の定期便開設を含め週最大31便まで増便される予定である。経済特区への入居企業は伸び悩んでいるが、文化・芸術・学術を含む幅広い人的交流の拡大を期待したい。

■ 鏡芳和サハリン所長

産業はエネルギーのほか、林業や水産業に限られるが、ロシアの他地域にはない当地の特徴は、(1)第二次世界大戦以前は日本の領土であったことによる歴史的つながり(2)石油・ガスなど天然資源開発への日本企業の参加(3)地理的に近接する北海道との緊密な交流――である。とりわけ、札幌と州都ユジノサハリンスクを結ぶ直行便により、樺太にルーツを持つ日本人観光客も少なくない。

(注)2016年5月のソチにおける日露首脳会談で、安倍首相がウラジーミル・プーチン大統領に提示した、8項目から成る日露間の経済協力プラン((1)健康寿命の伸長(2)快適・清潔で住みやすく、活動しやすい都市づくり(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大(4)エネルギー(5)ロシアの産業多様化・生産性向上(6)極東の産業振興・輸出基地化(7)先端技術協力(8)人的交流の抜本的拡大)

【国際経済本部】

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