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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月27日 No.3444 「CBCC設立30周年記念国際シンポジウム」を開催 -CSRの展望をめぐり討議

あいさつする二宮CBCC会長

経団連の関連団体として日本企業のCSR推進に取り組む企業市民協議会(CBCC、二宮雅也会長)は海外事業活動関連協議会として設立されてから昨年9月で30年を迎えたことを記念して2月12日、東京・大手町の経団連会館で国際シンポジウムを開催した。CBCC会員企業をはじめ、経団連会員企業・団体、NGOや国際機関、各国の大使館等から約160名が参加した。

冒頭、二宮会長は開会あいさつし、日本企業のCSR活動はSDGs(持続可能な開発目標)という大きな推進力を得て新たな変革の時を迎えていると述べ、「あらゆるステークホルダーとの連携」「価値の向上に重点を置いた取り組み」に注力していく必要があると訴えた。また、環境や人権等の分野で企業のサプライチェーン全体への取り組みが求められるなか、経営トップの強力なリーダーシップに加え、行政と企業と市民社会の三者が対等な立場で対話を尽くしていくマルチステークホルダー型の合意形成が重要であると指摘した。

続いて、CBCCと長年にわたり協力関係にある米国のサステナビリティー推進団体BSR(Business for Social Responsibility)のアーロン・クレマー・プレジデント兼CEOが基調講演を行った。同氏は、2030年までの10年を「決定的な10年」と表し、企業には、サステナビリティーの経営への統合を超えて変化に柔軟に対応するレジリエントな企業戦略の策定と社会における企業の役割の再定義が求められていると述べるなど、サステナビリティーをめぐる潮流のなかで企業がとるべき道筋を提示した。

パネルディスカッション

その後は2つのパネルディスカッションを実施。「ステークホルダー・エンゲージメントを通じた取り組みの深化」をテーマにしたパネルでは、ANAホールディングス、ソニー、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、日本サステナブル投資フォーラムからパネリストを迎え、企業、NGO、投資家の立場からみた各ステークホルダー間の対話の現状と課題、対話拡大の方策について意見が交わされた。パネリストからは、企業、NGO、投資家が共通の社会課題解決に取り組む真のパートナーとなるためのプロセスとして、エンゲージメントを重視する声が相次いだ。

もう1つのパネルでは、世界のサステナビリティーの動向をテーマに、米国、中国、欧州のCSRの専門家による討議が行われた。ビデオでの登壇となった中国のCSR推進機関GoldenBeeの殷格非創立者兼チーフエキスパートは、中国におけるCSRの最新状況を紹介。また、駐日欧州代表部のガブリエレ・ロ・モナコ通商部一等書記官が欧州グリーンディールやEUタクソノミー等、EUの施策に関する昨今の動きを説明し、BSRのクレマー氏とモデレーターを務めた関正雄CBCC企画部会長を交え議論。いずれもダイナミックな環境変化のもとでの豊富なビジネスチャンスを指摘したうえで、レジリエントな企業戦略とイノベーションの重要性を強調した。

その後開催されたレセプションでは、登壇者や参加者らが交流を深めた。

◇◇◇

CBCCでは、日本企業が内外で「良き企業市民」として受け入れられるための活動を支援するため、国際貢献事業に対する日本企業からの寄付支援のほか、CSRに関する懇談会やセミナーの開催、海外へのCSR対話ミッションの派遣等の活動を展開している。サステナビリティー経営への動きが加速するなか、CBCCは引き続き日本企業のCSRの旗振り役として、取り組みを強化していく。

【SDGs本部】

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