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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年7月30日 No.3463 次期科学技術基本計画策定に向けた現状と今後の課題について聴く -イノベーション委員会企画部会

経団連は7月2日、イノベーション委員会企画部会(江村克己部会長)をオンラインで開催し、内閣府の髙原勇大臣官房審議官と永井岳彦参事官から、「次期科学技術基本計画策定に向けた現状と今後の課題」と題し説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 科学技術・イノベーション基本計画の概要

科学技術基本計画は、科学技術基本法に基づいて5年ごとに策定される。第1期~第3期は科学技術予算の拡充、第4期は社会実装を重視し、第5期は目指すべき社会像としてSociety 5.0を提唱した。今年6月には科学技術基本法が改正され、科学技術・イノベーション基本法となり、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)で次期基本計画を検討している。

今後のスケジュールについては、7月に中間報告を行い、10~12月に素案を取りまとめ、12月~1月にパブリック・コメントを実施、2~3月に閣議決定する予定である。

科学技術イノベーション政策の重要性は他国においても高まっており、各国が重点分野を明確化した政策の方針を固めている。日本には「里山」と「三方よし」という、自然につくり上げてきた世界に誇れるエコシステムがあり、海外から非常に注目されている。この点も、今後の科学技術政策を考えるうえで重要だと考えている。

■ 科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性

Society 5.0は産業界だけでなく社会全体を包括した変革のコンセプトであり、新型コロナウイルス感染症拡大を経ても錆びることはない。今後、Society 5.0をどのように現実にしていくかが現在の課題である。政府やアカデミア、産業界、市民などのステークホルダーが議論に参加しつつ、実現するための道標を共に考えたい。

デジタル技術を「明確な意志を持って使っていく」ことでSociety 5.0を実現していくことが重要であり、誰一人取り残さない社会を築かなければならない。

基本法改正を機に人文社会科学を包摂し、科学技術イノベーションを起こすことを考えている。科学技術と人文社会科学を融合した総合的な知識を活用する必要がある。産業界もアカデミアも人材育成が必要になる。

■ 主な検討項目

科学技術イノベーションの投資・資金循環や初等中等教育からリカレント教育まで含めた人材育成のほか、EBPM(Evidence Based Policy Making)やELSI(ethical, legal and social issues)、ダイバーシティが論点に挙がっている。科学技術担当だけでなく骨太の方針の担当者も含め、政府全体で議論するための体制をつくりたい。

第5期は産業界と密接に議論を行い策定した。次期基本計画も産業界と連携しつつ進めたい。

【産業技術本部】

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