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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年8月27日 No.3465 第31期「経団連フォーラム21」開講

経団連事業サービス(中西宏明会長)は7月2日、東京・大手町の経団連会館で、次代を担う経営リーダーの育成を目的とした「経団連フォーラム21」の第31期の開講式を行った。当初5月に予定していたが、コロナ禍を踏まえ延期し、約2カ月弱遅れの開講となった。

開講式には昨年度の修了生も出席し、今期参加者にアドバイスを寄せた。

大内香氏(中外製薬執行役員メディカルアフェアーズ本部長)は、「受講を通して一貫して突きつけられたメッセージは、日本経済を立て直し、成長軌道に戻す役割を担うのは、ほかでもない自分たちであるということだった」と振り返り、「皆さんも日本経済をかじ取りする当事者であるとの自覚を持ち、それぞれの立場で何ができるのか模索してほしい」と激励。岡元徹氏(三井住友ファイナンス&リース執行役員人事部長)は、「本フォーラムを受講して大いに知的刺激を受けるとともに、多様な業種からのさまざまなバックグラウンドを持つ参加者同士のネットワークを構築できた。このことは職業人生の大きな財産となった」と語り、「同期生間の議論などを通じてお互い切磋琢磨に努めてほしい」とエールを送った。

その後、今期の参加者31名が自己紹介するとともに、同フォーラムに参加するにあたっての抱負などを述べた。

■ 寺島アドバイザーが講演

寺島アドバイザー

開講式に続いて、アドバイザーを務める寺島実郎日本総合研究所会長が、コロナ禍における日本経済の課題と取るべき対応について講演を行った。

寺島アドバイザーは、コロナ禍が日本経済に問題を引き起こしたのではなく、日本経済が抱えている問題がコロナ禍によってあぶり出されたものと指摘したうえで、「世界のGDPに占める日本のシェアは、1988年は16%だったが、2018年には6%に沈んだ。日本国民にはその実感がなく、いまだ日本は豊かであるとの錯覚に陥っている。技能五輪における日本のメダル数は、07年は第1位だったが、19年には第7位まで落ち込んだ。これは日本の『現場力』の低下を如実に示すものである」と述べ、現状に対する危機感を持つ重要性を強調した。

さらに、日本が取るべき対応について、(1)成長著しいASEANなどアジア各国のダイナミズムに関与していくこと(2)日本の競争力の源泉である現場力の復活に注力すること(3)コロナ禍によって明らかとなった東京一極集中問題を解消すること――などを挙げ、「分散型ネットワークを構築すべく、デジタルトランスフォーメーションの推進に拍車をかける必要がある」と処方箋を示した。

経団連フォーラム21は、毎月1回程度開催し、国際関係、経済、経営、テクノロジー、社会、文化など広範な分野における第一人者の講演や参加者同士の討議のほか、合宿研修なども実施する。第31期は来年3月に修了する。

【経団連事業サービス】

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