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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月1日 No.3469 世界貿易投資報告2020年版等の説明を聴く -ジェトロとの懇談会を開催

経団連は9月4日、日本貿易振興機構(ジェトロ)の佐々木伸彦理事長との懇談会をオンラインで開催。同機構が7月に公表した「世界貿易投資報告2020年版」および「デジタル・ジェトロ」についての説明を聴くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ 新型コロナの拡大に先立ち世界の貿易は減少

2019年の世界の貿易額は、前年比2.9%減、貿易数量も前年比0.1%減となった。双方の伸びがマイナスとなったのは09年以来10年ぶりであった。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大前から世界経済が低迷していたことを意味する。個別にみると、欧州や東アジアを中心に多くの国・地域で貿易額が減少するとともに、資源輸出国の輸出額も原油やガス等の価格下落を受け前年比減となった。米中摩擦は不確実性の増大をもたらし、両国間の貿易縮小のみならず、世界貿易全体の流れに大きな変化を生じさせている。

■ 20年第1四半期における世界の貿易・投資の状況

20年に入ってからは、新型コロナの拡大が、世界の貿易・投資に多大な影響を与えている。また、安全保障環境の変化を背景に、外国投資の事前審査制度(投資スクリーニング制度)の導入・強化を行う国も相次いでいる。

ジェトロ等が実施した海外進出日系企業を対象とするアンケートでは、多くの企業が、国内外における需要の減少によって前年比での売上減少を見込んでおり、事業戦略やビジネスモデルを見直すと回答している。サプライチェーンについては、中国における人件費の高騰に加え、米中摩擦を理由に、生産拠点等を中国からベトナム・タイに分散する企業も出始めている。

■ デジタル・ジェトロでオンライン商談会・貿易投資相談等を積極的に推進

ジェトロは調査業務に加え、海外における見本市、商談会、中小企業の海外展開支援なども行っているが、新型コロナの影響により、これらをリアルに実施することが難しくなっている。そこで、オンライン商談会・展示会の開催や、拡大するEC市場の開拓を支援するためのJapan Mall事業の拡張、オンラインでの貿易投資相談や海外ブリーフィングの対応などを推進している。

◇◇◇

続く意見交換では、米中対立を踏まえたわが国企業の留意すべき点についての質問があった。これに対して佐々木氏は、中国市場の重要性をあらためて指摘したうえで、わが国企業は米中における規制の実態や他国企業の動向に細心の注意を払いながら、企業戦略を構築する必要があるとの認識を示した。

【国際協力本部】

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