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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月26日 No.3477 「次期『社会資本整備重点計画』・『交通政策基本計画』に対する意見」を公表

経団連は11月17日、提言「次期『社会資本整備重点計画』・『交通政策基本計画』に対する意見」を公表した。

政府では現在、2021年度から5年間を対象とする新たな「社会資本整備重点計画」および「交通政策基本計画」の策定に向けた検討が進められている。Society 5.0の実現には、インフラ政策においても、デジタル技術を大胆に取り入れていくことが欠かせない。そこで今般、中長期的なインフラ政策のあり方について考え方を整理した。

従来のインフラ政策においては、特に、自然災害の頻発・激甚化、インフラの老朽化および人口減少・高齢化の進行といった問題への対応が重要な課題とされてきた。昨今ではそれらに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方・ライフスタイルの変容、大規模感染症リスクの顕在化、経済の停滞と財政の悪化といった変化がみられるとともにデジタル技術を活用した経済社会の強靱化が強く求められるようになっている。

このような環境変化を踏まえたうえで、インフラ政策の基本方針として、「集中と分散の両立」「革新的な技術・サービスの普及・活用促進」「魅力的な投資機会の創出」の3つを示すとともに、具体的施策を整理している。

インフラ政策の基本方針

■ インフラ全体を支える施策

インフラ政策全体の中核となるのが、国土交通省が20年4月から公開している「国土交通データプラットフォーム」の活用である。特に今後は、いかにデータを充実させていくかが重要となることから、行政保有データの徹底的なオープン化やデータ収集に関する制度整備などを求めている。

■ 安全・安心を支える施策

近年、自然災害の頻発・激甚化が深刻な問題となるなか、大規模自然災害対策として、地域防災計画等の策定における災害シミュレーションの積極的な活用、土地利用・建築における防災・減災の推進などが必要となる。

平時における着実なインフラメンテナンスも欠かせない。自治体におけるメンテナンス体制を確立するとともに、広域連携・公民連携の推進、データ・新技術の活用拡大などによる効率化・高度化の取り組みが不可欠である。

■ 生活を快適にする施策

人口減少・過疎化が進む一方で、人々のライフスタイルは一層多様化している。そのような時代の変化に対応しつつ、生活を快適にするためのインフラ政策を考えるときに差しかかっている。

とりわけ都市に関しては、その機能を高める施策として、スマートシティの社会実装が特に重要であり、資金・規制の面におけるモデル事業への重点的支援が求められる。

交通に関しては、新モビリティ(自動走行車、パーソナルモビリティ等)や新たな交通サービス(MaaS等)によって移動手段を多様化すべく、その社会実装に向けた道路関係法令の見直し、インフラ整備における対応などを進める必要がある。

■ 産業競争力を高める施策

企業活動を支え、経済成長に資するインフラ整備も求められる。具体的には、再開発等による都市空間の魅力向上、物流の自動化・省人化、港湾・空港の機能強化およびインフラシステムの海外展開が重要となる。

◇◇◇

経団連は、同提言で指摘したDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた施策が、政府の次期計画に多く盛り込まれるよう、必要な働きかけを行う。あわせて、政府等と連携しながら、インフラ分野におけるSociety 5.0の社会実装を推進していく。

【産業政策本部】

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