Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月26日 No.3477  「ウィズコロナ時代のアジアにおける“ビジネスと人権”の実践」に関するウェビナーをUNDPと共催 -企業行動・SDGs委員会

企業行動・SDGs委員会(二宮雅也委員長、中山讓治委員長、吉田憲一郎委員長)は11月5日、国連開発計画(UNDP)とウェビナーを共催した。

UNDPのB+HR Asia リヴィオ・サランドレア氏から、アジアにおける「ビジネスと人権」の取り組みの進展について、また同ショーン・リース氏から「人権デューデリジェンス(DD)と新型コロナウイルス~企業向け自社評価簡易チェックリスト」について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ ビジネスと人権に対するアジア各国の関心と潮流

アジアでは、近年、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(指導原則)への関心が高まっており、現在7カ国が国別行動計画の策定に着手している。指導原則への対応が進んだ理由は、次の5点である。

1点目は、持続可能なビジネスを実践するうえで、ビジネスと人権への対応の必要性が高まったこと。2点目に、2019年にタイが他のアジア諸国に先駆けて国別行動計画を策定して以降、政府同士、企業同士がお互いに学び合うピア・ラーニングが活発になったこと。3点目に、メディアやSNSを通じてビジネスと人権に関する認知度が向上したこと。4点目に、消費者と投資家からの関心が高まったこと。5点目に、EUを中心に人権や環境に関するDDを義務化する動きがあり、法制化への対応として取り組む必要性があること、である。

最近は、人権問題に関するネガティブな報道により、企業が信用を失うケースが多い。他方、ビジネスと人権に取り組み、それを効果的に公表することで、企業価値を向上させることも可能であり、企業は競争力向上のためにもより一層取り組みを強化すべきである。

■ チェックリストの活用

ビジネスと人権への意識が高まるなか、ウィズコロナ時代の人権DDの実施プロセスについて不明点が多いという現状を受け、UNDPではチェックリストを作成した。人権DDにおいては、企業には4つのアクション((1)人権リスクの特定(2)対策の検討・実施(3)追跡および検証(4)取り組みの公表)が求められるが、同チェックリストは、ウィズコロナ時代におけるリスクを6つのカテゴリーに分け、準備期・対応期・復興期の3つのフェーズにおいて企業に求められる対応が記載されており、企業が各段階でのリスクを適切に特定し、評価できるように支援するものとなっている。

※ チェックリストの詳細についてはUNDPウェブサイトを参照
https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/library/HRDD-COVID19-BHR.html

【SDGs本部】