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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年12月17日 No.3480 個人情報保護制度の動向について個人情報保護委員会から聴く -デジタルエコノミー推進委員会

経団連は11月20日、デジタルエコノミー推進委員会(篠原弘道委員長、井阪隆一委員長)をオンラインで開催し、個人情報保護委員会の福浦裕介事務局長から、最近の個人情報保護制度の動向に関する説明を聴いた。概要は次のとおり。

今年の法改正は、(1)個人の権利利益の保護(2)技術革新の成果による保護と活用の強化(3)国際的な制度調和・連携(4)越境データの流通増大に伴う新たなリスクへの対応(5)AI・ビッグデータ時代への対応――という5つの視点から行った。公布後2年以内の全面施行に向け、今後は政令・規則等の改正ならびに広報活動を行う必要がある。政令・規則案については、意見募集を行った後、来年春ごろに公表するというスケジュールを考えている。ガイドライン案については、来年5、6月ごろには意見募集を行い、成案を得る。Q&Aも来年夏ごろに公表することを予定している。現在、個人情報保護委員会において論点ごとに議論を行っており、ウェブサイトで情報を随時発信するため、確認願いたい。

現状では、民間事業者、国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体それぞれに適用される法令や制度の所管組織が異なっている。これによりデータ利活用に支障を来す事例が各所で顕在化しているため是正すべきだ、という意見を経団連等からいただいている。

昨年12月に関係省庁によるタスクフォースを立ち上げ、個人情報保護委員会も連携して検討を行い、今年8月に中間整理を公表した。個人情報保護三法を1つに統合し所管を個人情報保護委員会に一元化すべく、次の通常国会への法案提出を目指している。地方公共団体の規律のあり方についても、年内に結論を得る方向で検討している。

個人情報保護委員会は、昨年のダボス会議で安倍晋三首相(当時)が打ち出したDFFTを個人情報保護の分野で具体化する役割を担っている。具体的には、(1)日EU間の相互認証に基づくデータ流通の枠組みの維持(2)APECのCBPR(Cross Border Privacy Rules)システムの普及促進(3)日米欧三極を核とした個人データ流通のさらなる促進――に取り組んでいる。今年7月には欧州司法裁判所が米EU間の「プライバシーシールド」(注)に対する十分性認定を無効とする判決を下し、米EU間の円滑な個人データ流通に支障が生じる懸念があるが、米・EU当局により、より強化された枠組みの可能性を模索するとの共同声明が公表されており、今後の動きを注視していく。

(注)EUから米国に対して個人データ移転を認める枠組み。

【産業技術本部】

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