経団連は11月25日、スタートアップ委員会スタートアップ政策タスクフォース(出雲充座長)の第11回会合をオンラインで開催し、デロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬社長から、公共調達におけるスタートアップ支援策について説明を聴き意見交換を行った。概要は次のとおり。
■ スタートアップを取り巻く環境
近年、スタートアップが起業からIPOに至るまで企業や政府によるさまざまな支援が整備され、日本社会におけるスタートアップを取り巻く環境は大いに改善した。一方で、諸外国では時価総額ランキングを塗り替えるようなメガスタートアップが出てきているが、日本では1兆円規模のメガスタートアップは依然として少ないのが現状である。スタートアップのさらなる成長のためにも、大企業の支援はもとより、官公庁のさらなる支援が必要である。スタートアップにとって最も明快な支援は売り上げ面の支援であることから、公共調達におけるスタートアップ活用のさらなる拡充が望まれる。
■ スタートアップが公共調達に参加する際の「5つの壁」
スタートアップが政府の入札に参加する際にはJ-Startupをはじめとしたさまざまなスタートアップ支援制度が設けられているが、2020年10月に国内スタートアップ300社を対象に行ったアンケートでは、入札参加において「5つの壁」があることが浮き彫りとなった。5つの壁とは、(1)入札要件・仕様書条件の壁(2)煩雑な手続きの壁(3)単年度主義の壁(4)支払い条件の壁(5)実績主義・前例主義の壁――である。スタートアップが公共調達へ積極的に参加できるよう、これらのハードルが少しでも下がるような対応が今後望まれる。
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意見交換では、タスクフォース委員間で各社における公共調達の現状および課題を共有し、今後のあるべき姿について議論した。
【産業技術本部】