Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年5月13日 No.3498  採用と大学教育の未来に関する産学協議会第5回会合を開催 -2020年度報告書を承認・公表

4月19日、経団連と国公私立大学のトップから成る「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(座長=中西宏明経団連会長、大野英男就職問題懇談会座長)は第5回会合を開催した。同会合では、同協議会が産学間の相互理解を深める場として機能していることを評価・確認するとともに、傘下の2つの分科会での2020年度の検討成果ならびに21年度のアクションプランから成る報告書案を審議。原案どおり承認、公表した。産学間の合意事項を含め、報告書の概要は次のとおり。

■ 対面とリモートを組み合わせたハイブリッド型教育推進に向けた課題

今後はハイブリッド型教育の常態化を目指すことで一致。そのうえで、リモート授業の実施にかかる環境整備や教育の質保証への対応が急ぎ必要として要望。また、中長期的には、大学設置基準における「授業」や「単位」の概念や定員管理のあり方の見直しが必要と指摘。

■ 「組織対組織」連携(共同研究・PBL型教育)の推進

産学双方のシーズ・ニーズのマッチング機能の充実が最重要との認識で一致したほか、博士人材を主とした研究人材の育成・活用や産学連携のコーディネート人材の確保・育成の必要性についても認識を共有。

■ リカレント教育拡充に向けた課題

多種多様なリカレント教育が行われているなか、「Society 5.0人材の育成に向け、大学等との連携による、働き手のキャリアアップやキャリアチェンジに資する大学院レベルのもの」に対象を絞って検討を進めていくことで合意。制度・実務面では、受講者へのインセンティブの付与、受講形態の多様化、受講成果の見える化、また、機運醸成面では、産学によるプログラムの共同開発等が求められる旨を指摘。

■ 新たなインターンシップのあり方

オンライン・インターンシップを積極的に推進することで合意するとともに、中長期的な視点に立った日本の新しいインターンシップのあり方についてゼロベースで検討。その結果、新しいインターンシップについて、「学生が、企業の職場や現場で実際に業務に従事すること」と「就職活動を目的とするものではないが、その仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを主たる目的とすること」の2点を要件とすることで合意。さらに、現在「インターンシップ」として行われている学生のキャリア形成支援活動について、目的や効果、対象別に類型化し、タイプ1(オープン・カンパニー)、タイプ2(キャリア教育)、タイプ3(汎用的能力・専門活用型)、タイプ4(高度専門型)に整理。いずれも引き続き推進するとしたうえで、タイプ3とタイプ4を「新たなインターンシップ」とすることでも合意。

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産学協議会は、21年度アクションプランに基づき、今後も活動を深化させていく。

【SDGs本部】