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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年5月13日 No.3498 最近のアフリカ連合の動向とアフリカ大陸自由貿易圏 -サブサハラ地域委員会企画部会

経団連は4月15日、サブサハラ地域委員会企画部会(河村肇部会長)をオンラインで開催し、アフリカ連合日本政府代表部の堀内俊彦大使とJETROヨハネスブルク事務所の菅野将史次長から、アフリカ連合(AU)やアフリカ大陸自由貿易圏協定(AfCFTA)の動向等について説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ AUの取り組み

アフリカは、今後、人口の増加や所得水準の向上が予測されており、日本企業にとって、生産拠点としても拡大する市場としてもビジネスチャンスの拡大が期待される。ただし、国ごとにみると状況はさまざまである。

AUは、55カ国・地域が加盟する世界最大級の地域機関である。アフリカにおける政治・安全保障分野、経済・社会分野における役割を積極的に果たしており、AUの事務局組織であるアフリカ連合委員会(AUC)はTICAD(アフリカ開発会議)の共催者となっている。

AUは2013年、今後50年を見据えたアフリカの統合と開発の大綱として、「アジェンダ2063」を策定した。持続的な開発と成長に基づく、「アフリカ自身が望むアフリカ(Africa we want)」を規定しており、7つの願望(繁栄するアフリカ、統合されたアフリカ、平和で安全なアフリカなど)と15の旗艦プロジェクト(AfCFTAの設立、高速鉄道ネットワーク、アフリカ大博物館など)を掲げている。

日本は、アフリカとの間で1993年にいち早くTICADを開始した。来年のTICAD8を控え、わが国は、多国間の枠組みを通じ、開放性、包摂性をもって、アフリカ各国との協力に加えAU/AUCと真正面から向き合い、「アフリカ大陸」という視点でとらえなければならない。これまでのような先進国から途上国への押し付けではなく、アフリカのことはアフリカに学び、世界の課題の解決にアフリカと共に取り組む姿勢が必要となろう。

■ AfCFTAの動向

アフリカ内には地域経済共同体(REC)が林立しており、REC内では関税撤廃が進むものの、RECをまたいだ貿易は障壁が多く、結果としてアフリカの域内貿易は他地域と比べて量的・質的にも貧弱である。

域内貿易を活性化させるため、2019年にAfCFTAが発効、今年1月より運用が開始された。しかし、AfCFTA自体は枠組み協定にすぎず、関税撤廃品目など詳細は交渉中である。また、同協定はRECの自由貿易圏・関税同盟を尊重しており、REC外との差別化を認めている。そのため、既存のREC内では同協定によって何らかの自由化が達成されるわけではない。つまり、新たに関税撤廃が期待されるのは、南アフリカと西部・東部アフリカ、ケニアとエチオピア、アンゴラとコンゴ(旧ザイール)およびその周辺国、モロッコと西アフリカなど、同一RECに属さない、比較的限られた組み合わせになることに留意する必要がある。

今後、批准国が順調に増えていくかどうかが注目されるが、これに加え、年内確定を模索している物品貿易の譲許表の行方、投資や競争ルールといった第2フェーズの交渉の動向も目が離せない。

【国際協力本部】

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