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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年5月27日 No.3500 新型コロナの影響が長期化するなかでのコンテンツ産業政策 -産業競争力強化委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会

経団連の産業競争力強化委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会(依田巽部会長)は5月12日、オンラインで会合を開催した。経済産業省商務情報政策局の高木美香コンテンツ産業課長から、新型コロナウイルスが長期化するなかでのコンテンツ産業政策について説明を聴くとともに懇談した。説明の概要は次のとおり。

■ 世界のコンテンツ市場での日本の位置付け

日本のコンテンツ市場は、世界市場が130兆円規模であるのに対し、約10兆円から11兆円規模である。世界市場の拡大に伴い、日本市場が占める割合は減少傾向にある。ゲーム、アニメ、マンガは、海外のコンテンツ市場でのシェアが高いものの、映画、放送、音楽分野でのシェアの低さが課題である。

■ 新型コロナの影響と取り組み

新型コロナの感染拡大により、リアルでしか体験できない集客型エンタメは、中止や延期、入場制限などがとられている。従来どおりのかたちでの再開のめどは立っていない。2020年2月から21年1月の1年間に消失した集客型エンタメの市場規模は、19年の市場規模と比較し、マイナス75%と推計されている。

一方で、オンラインライブ市場は、集客型エンタメの機会損失をカバーするには至らないものの、事業継続のための収益獲得やファンとのつながり維持の方策として重要な役割を果たしている。20年の有料型オンラインライブ市場は、448億円規模に急成長した。

経産省は、ダメージを受けている集客型エンタメの再開支援策として「J-LODlive」を実施している。当初は、日本発コンテンツの海外展開を支援するものであったが、公演等を延期・中止した主催事業者への公演開催費やキャンセル費用等を支援の対象に追加した。20年度の当初予算878億円はすでに消化した。

第3次補正予算からは、「J-LODlive2」と名称を変更し、ポストコロナを見据えて、その支援の対象について、公演のうち、収益基盤の強化に資する取り組みとする。

■ 現在注力する新型コロナ対応への支援策

また、今般、緊急事態宣言の延長を踏まえて、それまで定額であった大規模施設等に対する協力金を事業規模に応じた支給へと拡充した。各省連携しながら、今後も必要な支援策を実施していく。

【産業政策本部】

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