経団連と日本オリンピック委員会(JOC)は5月12日、オリンピック出場を目指すアスリートなどを対象とした「アスナビ」(※)説明会をオンラインで開催した(味の素ナショナルトレーニングセンターから配信)。
経団連は、企業によるスポーツへの貢献、そして東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みなどを強化し、アスリートの雇用促進やセカンド・キャリア形成支援も重要テーマに掲げている。その一環として、アスリートが安定した生活基盤を得て競技に打ち込めるよう、2014年度からJOCによる就職支援事業「アスナビ」に協力し、今回で8回目の説明会開催となった。
経団連会員企業の人事・採用責任者など約40名が出席。JOCによる「アスナビ」概要説明の後、ソウルオリンピック・アーティスティックスイミング銅メダリストの小谷実可子氏がアスリートたちへ応援メッセージを寄せた。小谷氏は、「昨年来、選手たちはほとんど競技に取り組めず、今も合宿や遠征は厳しく制約されている。しかし、困難に立ち向かうのがアスリート。こんな時だからこそ、工夫しながら明るく取り組み、成果を出そうとしている。この前向きな姿勢があれば、企業でも頑張れる。会社を元気にする力もある」と強調した。
続いて、「アスナビ」で選手を採用した新東工業の澤井実人事部長から事例紹介があった。同社には、東京オリンピック出場予定の難波暉選手ら水泳選手が所属している。澤井氏は、「競技と仕事の二刀流アスリートになってほしい」との思いから、あえて特別扱いは行っていないこと、会社にプールなどの練習施設はなく、選手は母校などで練習に励む一方、オンライン会議を活用して勤務と両立していることを紹介。また、「試合には社員たちが駆け付け、国際大会では現地駐在社員が声援を送る。社内の一体感が高まった」と成果を説明した。
その後、競泳個人メドレーの宮本一平選手(21年日本選手権400メートル4位)、水球の蔦奎弥選手(20年日本学生選手権2位)ほか、冬季競技も含めた6名のアスリートがプレゼンテーションを行った。選手たちは、「競技で培った力を活かし、どんな仕事でも頑張れる」「会社を元気にしたい」「勉学にも励んでおり、業務で貢献したい」とアピールした。
※アスナビ(アスリートナビゲーションシステム)=企業と現役トップアスリートをマッチングするJOCの就職支援制度。2010年から実施。これまで、企業206社に329名のアスリートが採用されている
https://www.joc.or.jp/about/athnavi/
【ソーシャル・コミュニケーション本部】