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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年6月17日 No.3503 提言「新時代の日ASEAN関係~連携と協創による持続可能な社会の実現に向けて」を公表

経団連は6月15日、日ASEAN関係の一層の強化に向け、提言「新時代の日ASEAN関係~連携と協創による持続可能な社会の実現に向けて」を公表した。

■ 提言策定の背景

近年、ASEAN各国は、独自の政策のもとで安定的な経済発展を遂げ、国際社会においてASEANが果たす役割への期待も高まっている。地理的に近接する日本は、これまで二国間、ASEAN全体など重層的な関係を構築してきた。製造業による投資に加えて非製造業の進出も増加しており、いまや日本とASEANとは強固な紐帯で結び付いた一体不可分のパートナーとなっている。

他方、気候変動への対応など、グローバルな課題が顕在化するなか、時代は大きな転換期を迎えており、持続可能な社会の実現に向け、多国間連携のもと新たな発想を打ち出すことが重要となっている。とりわけ強固な関係を有する日ASEANが新たな価値を協創し、新時代を共に切り拓いていくことが求められている。

■ 新時代の日ASEAN連携と協創

提言では、ASEANの持続可能な社会を実現するために、日本とASEANは、次の5つの主要分野において、連携・協創してアクションに取り組むべきとした。

第1に、連結性強化に向けたハード・ソフト両面の社会資本整備である。ASEANの力強い成長実現に向け、道路、電力など質の高いインフラの整備、各国の事業環境整備などの制度インフラの充実、グローバルサプライチェーンの強靱化を進めていく。

第2に、持続可能な成長の実現では、急務である気候変動問題への対応として、日本企業の有する脱炭素化技術の普及、サステナブル・ファイナンスにより後押しする。また、海洋プラスチックごみなどの課題に対する日本の技術・ノウハウを共有し、環境負荷の低い社会を構築する。防災・減災についての知見・経験の共有や医療・ヘルスケア協力も推進していく。

第3のデジタル技術の活用では、ASEANのスタートアップとの連携、スマートシティやスマート農業などの推進とともに、サイバーセキュリティの能力強化、専門家の育成に連携して取り組む。

第4の人材育成では、ASEAN各国の成長の基盤となる人材育成に引き続き取り組む。また、日ASEAN双方の若年世代の留学プログラムの一層の充実も必要である。

第5は、人材交流である。企業、政府・関係機関等、さまざまなレベルにおける交流を活性化していく。また、新たな観光資源の発掘・活用を含め、双方向の往来の活発化に向けた取り組みの継続も重要となっている。

◇◇◇

経団連は、日本とASEANとの「心と心の触れ合う関係」を一層深化させるべく、同提言の実現に向けASEANや日本政府・関係者との政策対話等を積極的に実施していく。

【国際協力本部】

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