経団連は7月12日、東京・大手町の経団連会館で、「経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム」の本講座として毎年春学期に行っている「グローバル・ビジネスのフロンティア」の21年度最終講義を開催した。
同講座は、上智大学との連携のもと12年度から開講。グローバルに活躍する企業人が講義を行うとともに、学生にグローバル・ビジネスにおける課題を提示し、学生はグループ討議や企業訪問を通じて課題への対応策をまとめるというPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)型の教育プログラムである。
今年度は、アサヒグループホールディングス、伊藤忠商事、第一生命ホールディングスの3社が協力、同大学の3、4年生30名が受講した。課題として、アサヒグループホールディングスは「アルコールの有害な使用を削減しながらも健全な業界となるためにアサヒが取り組むべきことを示せ」、伊藤忠商事は「SDGsを考慮したうえで、中央アジアにおける新ビジネスを提案せよ」、第一生命ホールディングスは「国や文化を超えて第一生命グループとして全世界の従業員に提供可能な『グループEVP(従業員価値提案)』をせよ」をそれぞれ提示。学生は6つのグループに分かれていずれかの課題に取り組んだ。
新型コロナ対策を講じたうえで実施した最終講義には、受講学生と協力企業3社の講師および関係者、担当教員の竹之内秀行同大学経済学部教授、出口真紀子同グローバル教育センター長が出席。学生の各グループが課題解決策について熱のこもったプレゼンテーションを行った。
3社の講師は、「漠然とした難しい課題に対して、提案をロジカルにまとめている」「課題をさらに深掘りすればより魅力的な提案になる」「学生がビジネスのアイデアを具体的に考えられることに感銘を受けた」などと講評した。
最後に、出口氏があいさつし、「上智大学として、今後も社会課題を『自分ごと』としてとらえられる当事者性を持つ人材の育成に努めたい。学生には、課題解決策をまとめる際、学術論文も参考文献として活用してほしい。また英語文献を読める能力も身につけてほしい」と述べた。
経団連は、今年秋にも「経団連グローバル人材育成モデル・カリキュラム」の導入講座「グローバル・ビジネスの現状と課題」を上智大学と共に開講する予定である。
【SDGs本部】