経団連の佐藤義雄ヨーロッパ地域委員長と清水章同委員会企画部会長は7月26日、東京・大手町の経団連会館でコソボのヴィヨサ・オスマニ・サドリウ大統領と懇談した。大統領の発言要旨は次のとおり。
コソボは小国ながら潜在力が高く、戦略的な投資先として期待できる。EUとの安定化・連合協定によって、EU加盟国との間では概ねすべての物品について関税が免除されているほか、数多くの国とFTAを締結し自由な貿易を実現している。交通網も近代化されており、欧州地域のどの国に対しても短時間で輸出できる。国内では、安価で高スキルな労働力に恵まれており、イノベーションハブとして機能している。法人税率も低く、政府としても、(1)投資の保護(2)法的な予見可能性の確保(3)優れた投資機会の促進――に力を入れている。
新政権のもとで、EU加盟に向けたプロセスは加速しつつある。世論調査によれば、コソボ国民の8割がEU加盟を支持している。法の支配、教育や保健分野への投資、持続可能な開発などのEU加盟に向けた国内改革や、NATO加盟に向けた防衛分野の改革は、現在のみならず長期的に国民を利すると考えている。
アジア地域における戦略的なパートナーとして、日本に強く期待している。政治・外交面での友好関係に加えて、経済的な関係を強化していきたい。エネルギー、ヘルスケア、環境、観光、スポーツ、インフラ等が有望であり、特に山岳観光の潜在性に注目してほしい。
【国際経済本部】