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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年9月2日 No.3512 事務所則の見直しに向けた状況 -髙倉厚労省課長が説明/労働法規委員会労働安全衛生部会・ワーキング・グループ

経団連は7月20日、労働法規委員会労働安全衛生部会(今村尚近部会長)と関係するワーキング・グループによる合同会合をオンラインで開催し、厚生労働省労働基準局の髙倉俊二労働衛生課長から「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の見直しに向けた状況」について説明を聴いた。概要は次のとおり。

事務所衛生基準規則(事務所則)は、労働安全衛生法に基づく厚生労働省令であり、一般的な事務所の作業環境等を規定したものである。女性の活躍推進や高齢者、障がい者を含むあらゆる労働者にとって働きやすい環境の整備が重要な課題となるなか、2018年の「働き方改革関連法案」の国会審議における参議院の附帯決議で見直しの検討が求められた。このため、厚労省に関係有識者で構成する検討会を設置し、6回にわたる審議を経て今年3月に報告書を取りまとめた。同報告書で示した事務所則等に関する解釈も含めた主な見直し事項は次の3点である。

1点目は、作業面の照度である。現行制度は作業区分を3つに分けて照度基準を定めているが、区分のなかには夜間路上の街灯下程度(70ルクス以上)の基準も含まれ、事務作業に適さなくなっている。そのため、区分を「一般的な事務作業」と「付随的な事務作業」の2つに再分類し、前者を300ルクス以上、後者を150ルクス以上に設定することとする。

2点目は、便所の設置基準である。男性用と女性用を区別して設ける原則を堅持しつつ、(1)少人数の事務所においては、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、強固な壁や扉で囲まれた独立個室型の便所の設置に代えても差し支えないこと(2)男性用と女性用に区別した便所を設置したうえで付加的に独立個室型の便所を設置する場合は、男性用・女性用の便所をそれぞれ一定程度設置したものとして取り扱うことができること――とする。

3点目は、作業環境測定に用いる機器に関する解釈の見直しである。空気中の一酸化炭素や二酸化炭素の含有率の測定にあたり、作業環境測定基準で示している検知管での測定に加えて、同等以上の性能を有する電子機器も活用できる旨を同基準の解釈上明確化することとする。なお、現行の測定頻度である「2カ月以内に一度の実施」は維持する。

今後、同報告書の内容等を踏まえた関係省令の改正に向けて、労働政策審議会安全衛生分科会で審議する予定である。

◇◇◇

会合ではこのほか、労働政策審議会安全衛生分科会への対応について審議した。「作業環境測定の実施頻度は多すぎるため、見直すべき」との委員の意見を踏まえ、検知管と同等レベルの性能を有する電子機器が普及し、見直しに必要な測定データが蓄積された段階で、再度、測定頻度の緩和について審議するよう政府に求めることとした。

【労働法制本部】

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