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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年10月28日 No.3519 ガバナンス・サミット2021を開催 -持続可能な社会の実現に向けたコーポレートガバナンスのあり方を議論

経団連は10月8日、経済産業省、ガバナンス・サミット2021実行委員会と共に東京・大手町の経団連会館で「ガバナンス・サミット2021」を開催した。オンラインを含めて約210名が参加した。

第1部では実務家向けに関係省庁が解説するとともに、専門家・運用機関が議論。まず、金融庁の浜田宰企画市場局企業開示課企業統治改革推進管理官が、今年6月のコーポレートガバナンス・コード再改訂のポイントを説明。改訂の趣旨や精神に照らし、各社の実情に応じて実質的な取り組みを進めるよう求めた。

次に、東京証券取引所の青克美執行役員が登壇し、来年4月に控える市場区分再編の概要を詳説。再編の根底にある意図は上場企業1社1社の企業価値向上と指摘した。

その後、「長期的経営とESGの取り組みに向けた投資家の期待」をテーマに、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の小幡績准教授をモデレーターとして、ブラックロック・ジャパンの江良明嗣運用部門インベストメント・スチュワードシップ部長、農林中金バリューインベストメンツの奥野一成常務取締役によるディスカッションを行った。ESG(環境・社会・ガバナンス)が企業収益に与える影響の見方にも踏み込むなど、活発に意見が交わされた。

第2部では、企業経営者等向けに、有識者ならびに先進企業の経営者による講演・議論を行った。冒頭、ガバナンス・サミット2021実行委員長を務める経団連の榊原定征名誉会長があいさつ。日本企業のガバナンスに対する意識や形式面は着実に進展した一方、海外投資家からは依然として厳しい評価があり、ESGを経営戦略と統合し収益力強化につなげることが重要と訴えた。

続いて、経産省の平井裕秀経済産業政策局長が講演。デジタル化による急激な産業構造変化への対応が遅れた一因として、日本型経営を指摘し、経営改革(CX)の必要性を説いた。また、ハーバード・ビジネス・スクールのジョージ・セラフェイム教授はビデオメッセージにおいて、投資家はESGの取り組みの説明だけでなく結果を求め始めており、企業は重要と考えるESG課題を事業戦略と運営の中心に据えるべきと強調した。さらに、花王の澤田道隆会長は、グローバルな視点で策定した「Kirei Lifestyle Plan」等を紹介。ESG経営を収益につなげ持続可能にするには、全社員に浸透させる企業の仕組みづくりに加え、他社・業界との協働や社会全体でのコスト分担も不可欠と述べた。

その後、「サステナビリティガバナンスの目指すべき方向性」をテーマとして、ガバナンス助言会社プロネッドの酒井功社長をモデレーターにパネルディスカッションを行った。住友化学の岩田圭一社長、三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、ビジネスを通じた持続可能な社会への貢献やその内容への理解を得るための努力と課題、サステナビリティに関する自社のガバナンス体制等をそれぞれ紹介。経産省の安藤元太経済産業政策局産業組織課長は、わが国の成長戦略の観点から、また一橋大学大学院経営管理研究科の江川雅子特任教授、大江橋法律事務所の国谷史朗代表弁護士は、社外取締役の経験等をもとに、役員報酬やエンゲージメントのあり方等について、それぞれ意見を述べた。

※ 会議の内容は、ガバナンス・サミット2021ウェブサイト(https://gsummit.jp/)に掲載予定

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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