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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年10月28日 No.3519 全米各州探訪(8)~テネシー州、イリノイ州、インディアナ州 -新・ワシントンレポート<8>

本連載では、米国をより深く知るため、広大な米国を構成する50州+1特別区の情報を順次ご紹介します。

22.テネシー州

ノースカロライナ州が合衆国加盟時に放棄したアパラチア山脈以西の領域から成る。1796年に16番目の州として合衆国に加盟し、合衆国の領有地が州に昇格する初めての事例となった。

州境は8州と接する。これは西隣のミズーリ州と並んで50州中最多であり、米国南東部の中心という州の立地もあって陸運の便が良い。また、フェデックスが本社を置くメンフィスの空港は世界一の貨物取扱量を誇る。こうした物流面の強みもあり、製造業、とりわけ自動車産業が集積している。

日本企業の進出も活発で、自動車関連企業を中心に約190社が拠点を置く。日系企業による雇用者数は5万2000人と、次点の英国(1万7000人)に大差をつけて外資系トップである。

政治的には共和党が強く、現在は州知事と州上下院を押さえる。また、2017年から2年間駐日大使を務めたビル・ハガティ氏の地元であり、現在は同氏を連邦上院議員に選出している。

世界恐慌時にはニューディールの一環でテネシー川流域開発公社(TVA)が設立され、ダム建設等を通じた雇用創出、治水、地域の電力化が図られた。豊富な電力と冷却水の存在は、第二次世界大戦中、オークリッジをマンハッタン計画(核兵器開発計画)の拠点とする理由ともなった。現在でもTVAはテネシー州全域と周辺地域への電力供給を担っている。

23.イリノイ州

独立戦争で英国から獲得した北西部領土(現在の中西部諸州に概ね該当)から準州として切り出され、1818年に21番目の州となった。

人口は約1270万人で全米6位。白人70%強、黒人10%強、アジア系5%強と、全米平均とほぼ同じ人種構成となっている。州都は州の中央西寄りに位置するスプリングフィールド。

米国第三の都市シカゴを擁し、州人口の4分の3が同都市圏に集中している。同市内には名だたる米国企業の本社が立地するほか、世界有数の金融先物・商品先物市場を取り扱うシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がある。

政治面では、都市部にリベラル系の人口が多いことから、民主党が優勢な土地柄である。バラク・オバマ元大統領はイリノイ州選出の連邦上院議員を経て大統領に就任した。現職のタミー・ダックワース上院議員は、イラク戦争時にヘリコプターパイロットとして従軍し、両脚を失う負傷で名誉戦傷章を受けた経歴を持つ。また、2018年には在任中に出産した初めての上院議員となった。第16代大統領のエーブラハム・リンカーンが政治家として活動した地でもあり、1955年以来、州の公式スローガンとして「Land of Lincoln」を掲げている。

バイデン政権は8月、ラーム・エマニュエル前シカゴ市長を駐日大使に指名した。同氏の着任により、ハガティ前大使の退任後2年超にわたって続く空席が埋まることになる。

24.インディアナ州

イリノイ州と同様、北西部領土の一部が準州を経て州となった。1816年に合衆国に加盟した19番目の州である。

鉄鋼や自動車といった製造業が栄えており、労働力人口の3割が製造業に従事する。日系自動車メーカーが複数進出していることもあって、日系企業による州内雇用者数は7万人を超える。

世界三大モータースポーツの一つといわれるインディアナポリス500(略称インディ500)は毎年5月下旬に州都インディアナポリスで開催され、最近は2017年と20年に日本人選手が優勝したことが話題となっている。

政治的には伝統的に保守派が多く、共和党が優勢な州である。マイク・ペンス前副大統領がかつて知事・連邦下院議員・州議会議員を務めた地元でもある。インディアナ州出身の大統領は1人(ベンジャミン・ハリソン)だけだが、副大統領は6人でニューヨーク州に次いで多い。

【米国事務所】

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