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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年12月9日 No.3525 パラグアイから南米に広がるビジネスチャンスの開拓を -アセベド・パラグアイ外相との懇談会を開催

アセべド大臣

経団連の中南米地域委員会(加瀬豊委員長)は11月22日、東京・大手町の経団連会館で、パラグアイのエウクリデス・アセベド・カンディア外務大臣と懇談した。冒頭、加瀬委員長は、自由で開かれた経済政策を掲げ、メルコスール(注)の加盟国として南米市場への良好なアクセスを有するパラグアイへの期待を表明した。また、佐藤真吾日本ブラジル経済委員会企画部会長は、日本メルコスール経済連携協定(EPA)、日パラグアイ投資協定の早期実現に向けて、パラグアイ政府の協力を求めた。

アセベド大臣は、パラグアイの国家ビジョンについて言及するとともに、日本メルコスールEPA等の重要性を指摘し、日本の経済界とのさらなる関係強化に意欲を示した。概要は次のとおり。

■ 外国投資誘致により経済成長を推進

パラグアイは歴史的に重要なプロセスにある。1989年に独裁制を終えた国として、民政移管を完結しなければならない。われわれは豊かになるため、富の生産と分配を行っていく。国家の発展に向けて、貧困で脆弱な人々に焦点を当てた社会正義を実現するとともに、資本主義、市場経済のもとで、海外からの投資を誘致し、経済成長に取り組んでいく。

パラグアイの投資環境は安定性という魅力を有している。パンデミックはあったが、年4%の経済成長を継続するだろう。通貨は安定しており、インフレ率は中南米諸国で最低の水準にある。豊富な水資源にも恵まれ、ほぼすべての電力を水力発電で賄っている。安定した政治体制のもとで、日本からパラグアイにアクセスがしやすくなるよう、引き続き、財政、治安、保健医療、エネルギー等の政策を改善していく。

■ 日本の経済界との新しい関係構築を志向

パラグアイにとって日本は戦略的に重要な国であり、経済関係を強化していきたい。両国には、大きなチャンスがある。例えば、パラグアイは、隣国の巨大市場であるブラジルにアクセスしやすいので、パラグアイ企業・政府と日本企業は、同市場に関する事業等で協力を拡大することができる。また、豊富な水力発電を活用した水素ビジネスにも潜在的な可能性がある。

経団連が従前から求めている日本メルコスールEPAの交渉開始、日パラグアイ投資協定の締結については、パラグアイも賛同している。これらの協定を早期に実現させ、日本企業とパラグアイの企業・政府との間に、将来を見据えた新しい関係を構築したい。

(注)メルコスール=パラグアイ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイによる関税同盟

【国際協力本部】

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