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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年1月19日 No.3575 生物多様性条約COP15にミッションを派遣

生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)は、新型コロナウイルスの影響により2年間開催が見送られていたが、今般、12月7~19日にかけて、開催地を中国・昆明からカナダ・モントリオールに変更して開催された。2020年までの愛知目標の後継となる、30年までの世界目標の採択を目指すという大きな節目を迎えるなか、南北の対立はあったものの、議長国のリーダーシップのもと「昆明・モントリオール世界生物多様性枠組」(GBF)を採択し、歴史的なCOPとなった。

経団連自然保護協議会は、08年にドイツ・ボンで開催されたCOP9以降、すべてのCOPにミッションを派遣してきた。今回は、西澤敬二会長を団長とし、饗場崇夫同協議会企画部会長をはじめ過去最大規模となる18社・35人の団員が参加した。サイドイベントへの登壇や同協議会主催イベントを通じて、生物多様性に関する日本経済界の取り組みや、経団連自然保護基金を通じた自然保護プロジェクト支援等について発信した。

■ COP15の主な結果

GBFでは、日本を含む先進国の間ではすでに約束されていた、30年までに陸域と海域の30%以上を保全する「30by30」が盛り込まれた。また、大企業、多国籍企業をはじめ企業の事業活動による環境への負荷低減や、生物多様性への影響評価・情報開示を促進する内容が入り、明示的に企業活動を意識したものとなった。気候変動でいう「カーボンニュートラル」に類比する概念として注目された「ネイチャーポジティブ」は入らなかったが、「30年までに生物多様性の損失を食い止めて回復軌道に乗せる」ことは記載された。

■ ミッションの活動

西村大臣(右手前)と西澤会長(左)

西澤会長は、西村明宏環境大臣と懇談し、生物多様性の危機克服と企業が生物多様性分野に取り組みやすい環境づくりの観点から、GBFが適切に採択されることが必要だと訴えた。また、サイドイベントの場で、国連開発計画(UNDP)が実施する「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム」に、環境省と連携のもと、経団連自然保護基金から6年間で総額3億円を拠出することも公表した(環境省から総額7億円)。さらに、インガー・アンダーセン国連環境計画(UNEP)事務局長ら要人と個別に面談し、GBF後のアクションも見据えた国際的なネットワークの強化に努めた。加えて、団員による七つのイベントへの登壇、海外の経済団体との交流等を実施し、生物多様性保全に関する情報発信、意見交換を行った。また、出展したブースでは、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」参加企業の一覧や、経団連自然保護基金の歴史や今後の方針のポスターを掲示するなど、日本経済界の取り組みをアピールした。

経団連自然保護協議会は、GBFの採択を受けて、国内政策への提言や経団連生物多様性宣言の改定などの環境整備、情報発信や啓発活動の拡充に取り組む。

【経団連自然保護協議会】

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