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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年2月9日 No.3578 GX実現に向けた基本方針 -飯田経産省経済産業政策局長から聴く/環境委員会・資源・エネルギー対策委員会

経団連の環境委員会(小堀秀毅委員長、野田由美子委員長)と資源・エネルギー対策委員会(隅修三委員長、市川秀夫委員長)は、1月19日、合同会合をオンラインで開催した。経済産業省の飯田祐二経済産業政策局長から、政府の「GX実行会議」が2022年12月22日に取りまとめた「GX実現に向けた基本方針」(「基本方針」)について説明を聴いた。概要は次のとおり。

世界では、カーボンニュートラル(CN)目標を宣言する国・地域が急増し、そのGDPシェアの合計は、世界全体の約90%を占めている。こうしたなか、欧米をはじめとして、排出削減と経済成長をともに実現するグリーントランスフォーメーション(GX)に向けた大規模な投資競争が激化している。GXに向けた取り組みの成否が、企業・国家の競争力に直結する時代に突入している。

一方で、ロシアによるウクライナ侵略等を契機に、日本のエネルギー安定供給が脅かされている。安定供給の確保なくしてGXは実現できない。そこで、「GX実行会議」で、まず、足元のエネルギー安定供給に特化した議論を行ったうえで、安定供給確保を大前提としたGXの取り組みを「基本方針」に盛り込んだ。具体的には、徹底した省エネの推進、再生可能エネルギーの主力電源化、原子力の活用、水素・アンモニアの導入促進、電力・ガス市場の整備、資源確保に向けた資源外交などである。

特に、原子力の活用については、安全性の確保を大前提に、廃止を決定した炉の次世代革新炉への建て替えを具体化していくこととした。また、既存の発電所の運転期間についても、安全審査により停止していた期間等は除外することを可能とする仕組みを盛り込んだ。

また、「成長志向型カーボンプライシング(CP)構想」として、今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資を実現するための具体策を明記した。まず、政府が今後10年間で20兆円規模の「GX経済移行債(仮称)」を発行し、先行して投資を大胆に支援する。支援先は、民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業であるとともに、排出削減および産業競争力強化・経済成長に資するものを対象に、優先順位の高いプロジェクトから支援していく。

そのうえで、経済に悪影響をなるべく与えないよう、GXに取り組む期間を設け、エネルギーにかかる負担の総額を中長期的に減少させていくなかで、CPを低い負担から徐々に導入していく。具体的には、まず「排出量取引制度」を26年度から本格稼働し、発電事業者には33年度から「有償オークション」を導入する。あわせて、「炭素に対する賦課金」を28年度から導入していく。

こうした内容の「基本方針」を2月に閣議決定し、関連法案を今次通常国会に順次提出していく予定である。さらに今後、GX投資の状況、グローバルな動向、経済影響等も踏まえ、定期的に政府の取り組みの進捗を評価し、必要な政策を見直していく。

【環境エネルギー本部】

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