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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年5月18日 No.3590 東京都のデータ利活用推進 -デジタルエコノミー推進委員会企画部会

池田氏

わが国企業によるデータ利活用が停滞するなか、産業競争力強化やSociety 5.0 for SDGsを実現するためには、データ連携による価値の協創が不可欠である。こうしたなか、デジタルエコノミー推進委員会では、データ連携に際しての障壁を洗い出すとともに、新技術の活用を含めた解決策を見いだすべく検討を進めている。

そこで、同委員会企画部会(浦川伸一部会長)は4月13日、オンライン会合を開催し、東京都デジタルサービス局の池田庸データ利活用担当部長から、東京都のデータ利活用推進について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 「スマート東京」の全体像

東京都は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に推進することで、世界で最もQOL(Quality of Life)の高い都市「スマート東京」の実現を目指している。そのためには、東京における多種多様で複雑な課題の発見・解決に向け、いまだ不足・散在しているデータの収集・融合・活用促進が不可欠である。

また、データの提供者・利用者がつながるコミュニティーの形成や、新たなデータ利活用事例創出の支援・加速に向け、行政や民間などのデータが流通するための「東京データプラットフォーム(TDPF)」のあり方を検討してきた。2023年度後半にはTDPFを稼働し、まず行政データを中心に取り組みを進める。その後、対象を民間データに順次広げながら、データ連携を加速していく。都民のQOL向上に向け、TDPFを核として、行政が関与しながら社会資源であるデータを活用し、民間だけでは困難な課題の解決を促進する。

このほか、東京全体のDXを推進すべく、人材シェアリングや共同調達などの機能を備えた新団体として「GovTech東京」を23年度に設立する。具体的には、(1)都庁各局のDX(2)区市町村のDX(3)デジタル基盤の強化・共通化(4)デジタル人材の確保・育成(5)データ利活用の推進(6)官民による共創・新サービス創出――を担う。

■ オープンデータ化の推進

東京都では、区市町村と連携し、オープンデータ(注1)の好循環を促すことで、データドリブンな社会の実現を目指している。具体的には、民間ニーズ把握のためのラウンドテーブル開催や、オープンデータカタログサイトでのデータ公開、「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」(注2)を通じたオープンデータ活用サービスの新規開発等により、オープンデータの充実・普及を図っている。カタログサイトの閲覧数は、20年度第3四半期に比して22年度第4四半期では5倍以上に増えている。ハッカソンの参加者・提案数も、21年度から22年度にかけて倍以上に増加している。

このほか、都内全62区市町村の自治体標準オープンデータセットの整備にも着手しており、将来的には全区市町村分のデータセットをTDPF上で提供することを目指している。

(注1)各種統計をはじめ政府等が作成し、機械判読可能なかたちで広く公開する公共データ(人口・社会データ、統計データ等)

(注2)詳細は「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」のウェブサイトを参照
https://odhackathon.metro.tokyo.lg.jp/

【産業技術本部】

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