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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年6月1日 No.3592 ヤンキン・バージニア州知事と懇談

ヤンキン氏(右)と植木委員長
(提供:バージニア州政府)

経団連のアメリカ委員会(早川茂委員長、植木義晴委員長)は4月26日、米国バージニア州のグレン・ヤンキン知事の来日の機会をとらえ、東京・大手町の経団連会館で懇談会を開催した。ヤンキン知事による説明の概要は次のとおり。

■ バージニア州の投資先としての魅力

バージニア州は、港湾等をはじめとするインフラが整っているほか、法人税は1972年以来、米国内で最低水準の6%を維持している。加えて、健全な経済政策と慎重な財務管理に裏付けられ、38年から、どの州よりも長期にわたり、AAAの信用格付けを維持している。また、この冬の州の電力料金は、全国平均よりも約16%低い値となっている。こうした理由から、2022年には、Site Selection magazineの調査で、米国において最もビジネスを行いやすい州に選ばれた。

全米で問題視されている住宅価格の高騰に対しては、デベロッパーに税制面での優遇措置を与えるなど、住宅供給の増加を試みている。また、優秀な労働力を確保できるよう、教育面からアプローチしている。具体的には、若年層のスキル獲得を促すため、サイバーセキュリティー等の分野にかかる資格を高校時代に取得できる制度を整えている。これにより、資格の取得者は、高校卒業と同時にスペシャリストとして州内で働くことができるようになる。引き続き産業界が求める人材の提供に寄与したい。

バージニア州は、新しいビジネスの開始、既存のビジネスの成長のいずれにおいても、素晴らしい環境が整っている。

■ 日本との連携の方途

近年最も注力している分野は半導体産業である。州政府として、バージニア大学やバージニア工科大学といった州内の大学間の共同研究開発を支援している。半導体は、安全保障の観点からも昨今重要性が高まっており、日本をはじめとする友好国と共に、信頼できるサプライチェーンを構築する必要がある。バージニア州に、半導体や電気自動車のバッテリーの工場等が進出することを期待している。

また、サステイナブルな経済成長を実現するためには、水素やカーボンキャプチャー、小型原子炉といった新しい技術を活用し、クリーンで信頼できる電力を確保することが不可欠である。そのためのカギとなるのが、イノベーションである。バージニア州と日本があらゆる分野で共同研究開発を進めることは、イノベーションを通じた地球課題の解決につながる。バージニア州と日本が信頼に立脚して、今後さらに連携を強化できるよう、知事として引き続き尽力したい。

【国際経済本部】

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