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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年6月15日 No.3594 G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合に関する報告会を開催 -デジタル庁、総務省、経産省が大臣会合の結果を報告

矢端氏

菱田氏

目黒氏

経団連は5月23日、東京・大手町の経団連会館で、デジタル庁戦略・組織グループの矢端謙介企画官、総務省国際戦略局の菱田光洋参事官、経済産業省商務情報政策局の目黒麻生子国際室長から、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合の結果について説明を聴いた。概要は次のとおり。

日本政府は4月29、30の両日、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合を主催し、「G7デジタル・技術閣僚宣言」を採択した。議論が行われた六つのテーマでの主な結果は次のとおりである。

1.越境データ流通と信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の推進

  • データの越境移転時の課題解決につながるDFFT(Data Free Flow with Trust)の具体化に向けて、取り組むべき優先分野(データ・ローカライゼーション(注1)、規制協力、信頼された政府のデータへのアクセス、データ共有)に合意
  • DFFT具体化のための国際枠組み(Institutional Arrangement for Partnership=IAP)の立ち上げに合意。具体的には、データの越境移転にかかるさまざまな障壁を除去・縮小すべく、政府と民間が国際的に協働するための「場」を提供

2.安全で強靭性のあるデジタルインフラの構築

  • ICTサプライチェーンにおけるサプライヤーの多様化に向けた取り組みを歓迎し、オープンで相互運用可能なアプローチに向けた市場動向について引き続き議論
  • 大容量・低遅延通信、エネルギー効率性、複層的ネットワーク、オープン性、相互運用性等の要素を具備する「Beyond 5G/6G時代における次世代ネットワークのビジョン」を承認

3.自由でオープンなインターネットの維持・推進

  • IGF2023京都(注2)の成功に向け、さまざまなステークホルダーと連携し、G7として協力して取り組む
  • 「自由でオープンかつ、グローバルで分断がなく、信頼性があり相互運用可能なインターネットの維持・推進に向けたG7アクションプラン」を承認

4.経済社会のイノベーションと新興技術の推進

  • デジタルインフラにかかる技術の相互運用性とセキュリティの確保
  • 革新的技術イノベーションに親和的なガバナンス手法の活用(ガバナンスイノベーション)

5.責任あるAIとAIガバナンスの推進

  • 生成AIの急速な伸張のなかで、経済協力開発機構(OECD)やGPAI(The Global Partnership on Artificial Intelligence)(注3)などの国際機関等も活用したAIガバナンス、知的財産権保護、透明性確保、偽情報への対策、ならびに責任あるかたちでの生成AIを活用する可能性について、G7における議論の場を設置
  • 「AIガバナンスのグローバルな相互運用性を促進等するためのアクションプラン」を承認

6.デジタル競争

  • デジタル競争分野での既存の法律の執行や新たな法制度の立案・執行において、各国で共通して抱える課題の共有に合意
  • 競争当局および政策立案者によるデジタル競争サミットを2023年秋に開催することに合意

(注1)データの国内保存・国内保管義務

(注2)国連主催のインターネット・ガバナンス・フォーラム。10月、京都市で開催予定

(注3)人間中心の考え方に立ち、「責任あるAI」の開発・利用を実現するために20年に設立された
官民国際連携組織

【産業技術本部】

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