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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年6月22日 No.3595 10X10X実現に向けたレビューと機運醸成に向けて -「経団連 Startup Summit」を開催

経団連(十倉雅和会長)は5月30日、東京・大手町の経団連会館で「経団連 Startup Summit」を開催した。同イベントは、経団連と政府が共有する、スタートアップを質・量ともに5年で10倍増という野心的な目標(10X10X)の実現に向けて、関係者で現状認識を共有し、今後のアクションを加速すべく開催したもの。後藤茂之経済再生担当・新しい資本主義担当・スタートアップ担当大臣、宮坂学東京都副知事をはじめ、大企業・スタートアップ・行政から総勢約350人が一堂に会した。概要は次のとおり。

■ 座談会「スタートアップ政策のレビューと今後の課題」

座談会の冒頭、南場智子スタートアップ委員長は、世界的にスタートアップの資金調達をめぐる環境が悪化するなか、日本のスタートアップ振興の動きが世界に届き始め、注目が集まっていると指摘。この機を逃さず、質も量もグローバル水準の資金を呼び込むことが重要と強調した。志水雄一郎フォースタートアップス社長からは、10X10X実現には各ステークホルダーの主体的な活動の加速が必要であること、岩崎由夏YOUTRUST CEOからは、人材の流動性の官民一体での促進について、簗島謙太郎Logomixディレクターからは、大学知財の戦略的活用や人材・海外展開の支援について、それぞれ具体的な課題の提起があった。

これらの指摘に対し、後藤大臣は、スタートアップ育成5か年計画に基づく施策を紹介したうえで、「日本に必要なのはアニマルスピリットを取り戻すこと。この5年を最後のチャンスとして政府も全力で取り組み、世界に伍するスタートアップエコシステムを日本につくり上げたい」と応じた。

■ パネルディスカッション「スタートアップエコシステムの在り方」

続くパネルディスカッションでは、まず入山章栄早稲田大学大学院経営管理研究科教授が、経団連が2023年1月に実施した「スタートアップフレンドリースコアリング」(スコアリング)の背景や結果を説明した。続いて宮坂副知事が東京都の取り組みを紹介。日本の都市同士や世界がつながるエコシステムを構築したいとの意気込みを述べた。出雲充スタートアップ委員長は、大企業のスタートアップに対する向き合い方について、触れ合い育てる現状から、次のステージに進めることが不可欠と強調した。

各主体が行うべき具体的な活動について激論を交わした後、モデレーターの斎藤祐馬デロイトトーマツベンチャーサポート社長から、23年度スコアリングへの参加を呼びかけ、セッションを締めくくった。

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その後、スコアリングで高いスコアを獲得したKDDI、JR東日本スタートアップ、日本電気の3社から、スコアリングの分析や具体的なスタートアップ連携・カーブアウトの事例を紹介。イベント終了後には、参加者による活発なネットワーキングが立食形式で行われた。

また、イベントとあわせて、施策の実現状況や残された課題を整理した「スタートアップ躍進ビジョン レビューブック2023」スコアリング検討会報告書スコアリングハイスコア企業の事例集の3点を公表、経団連ウェブサイトで公開した。

【産業技術本部】

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