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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月6日 No.3597 訪米バイオミッションを派遣 -バイオエコノミー委員会初の海外ミッション

経団連(十倉雅和会長)は6月4日から9日にかけて、小坂達朗審議員会副議長・バイオエコノミー委員長を団長とし、総勢26人から成る訪米バイオミッションをワシントンDC、ボストンに派遣した。バイオエコノミー委員会として初の海外ミッションとなる。

国家戦略の策定に携わる連邦政府関係者や連邦下院議員のほか、世界最大のバイオコミュニティーを擁するボストン・ケンブリッジ地域の主要なステークホルダーと多くの対話の機会を得た。それぞれの面談において、経団連が3月に公表した提言「バイオトランスフォーメーション(BX)戦略」の具体的内容を説明。先方の理解を得つつ、アメリカの最先端の取り組みや政策動向を把握し、国際的なネットワークを構築することで所期の目的を達成した。

ケイン・ジュニア下院議員(後列中央)

■ ワシントンDC

連邦政府では商務省およびホワイトハウスの国家安全保障会議(National Security Council, NSC)を訪問し、連邦議会では科学・宇宙・技術委員会に所属するニュージャージー州選出のトーマス・ケイン・ジュニア連邦下院議員と面談した。いずれも、2022年9月の大統領令を受けて23年3月に連邦政府から公表された「アメリカのバイオテクノロジーおよびバイオものづくりに関する大胆な目標」をめぐって意見交換した。経済安全保障の観点も含めてバイオに関するサプライチェーン強靭化に向けた国際的な連携強化の必要性が指摘されるとともに、日本からのさらなる投資やビジネス協力への期待が表明された。

そのほか、冨田浩司駐米国特命全権大使や塚田玉樹駐米国特命全権公使、米国有力シンクタンクの戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies, CSIS)の専門家らと懇談したほか、大手法律事務所の一つであるK&L Gates LLPによるブリーフィング会合を開催した。

■ ボストン・ケンブリッジ

CICで講演する小坂副議長

バイオ分野の世界最大級のビジネスマッチングイベント「BIO International Convention 2023」や周辺イベントに参加した。経済産業省が日本貿易振興機構(ジェトロ)およびCIC(Cambridge Innovation Center)と共催した「Japan Innovation Night」に小坂委員長が登壇。経団連のバイオ関連の活動を広く紹介した。また、鈴木光太郎在ボストン日本国総領事と懇談した。

世界最大のバイオベンチャーとしてバイオファウンドリー事業に取り組んでいるGinkgo Bioworksを訪問。創業者のトム・ナイト・マサチューセッツ工科大学(MIT)教授をはじめ同社幹部から、事業概要や今後の連携機会について説明を聴くとともにラボを視察する貴重な機会を得た。

加えて、現地のバイオコミュニティーにおけるプラットフォーマーとして中心的役割を果たしているMassBio(Massachusetts Biotechnology Council)やMLSC(Massachusetts Life Science Center)、州の国際貿易・投資促進機関であるMOITI(Massachusetts Office of International Trade and Investment)と懇談した。各プレーヤーが重要な機能を担いながら、互いに強くつながるネットワークを確立している実態を把握した。

ハーバード大学日米関係プログラムおよびMITのKoch Institute for Integrative Cancer Researchから、アカデミアの果たす役割について説明を聴くとともに、今後の日本企業との連携の可能性についても大きな期待が示された。

【産業技術本部】

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