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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月13日 No.3598 バルトシュ・チェコ副首相兼地方開発相一行と懇談

右からバルトシュ副首相、東原副会長、ヤブールコヴァー副会長

経団連(十倉雅和会長)の東原敏昭副会長・ヨーロッパ地域委員長、清水章同委員会企画部会長は6月13日、東京・大手町の経団連会館で、来日したチェコのイヴァン・バルトシュ・デジタル化担当副首相兼地方開発大臣、チェコ産業連盟のミレナ・ヤブールコヴァー副会長らと懇談した。チェコ側の発言概要は次のとおり。

2022年秋、プラハを訪問した経団連ミッションと、エネルギー問題やデジタル化政策について有意義な意見交換ができた。それに続き、両国間の関係を一層進展させるべく、今般、チェコ企業約20社と共に訪日した。チェコと日本は、長年良好な友好関係を構築しており、23年は03年の戦略的パートナーシップ締結から20年となる。両国は政治だけでなく、経済や文化などさまざまな分野で連携してきた。経済面では、自動車関連産業を中心に270社以上の日本企業がチェコに進出しており、地方を含めチェコ経済の発展に寄与してきた。

ロシアによるウクライナ侵略を受け、三つの教訓を得ることができた。第1に、エネルギー資源などの重要物資の調達先について、政治的な側面を無視することはできないということである。欧州各国はロシアの安価なエネルギーに依存してきたが、ロシアによるウクライナ侵略を受け、その代償を支払うことになった。侵攻が始まった22年2月時点では、チェコは天然ガスの90%をロシアから輸入していた。代替調達先の確保に取り組み、現在、ロシアからのガス輸入はゼロである。第2に、危機が起こったときに本当の友人がわかるということである。日本をはじめ価値観を共有する国は、政治的だけでなく経済的にも信頼できるパートナーとなる。第3に、共同で対応することで強くなるということである。ウクライナ侵略は、地政学的リスクを浮き彫りにし、信頼できる新たなパートナーを探す必要性があらためて認識された。政治だけでなくビジネスにおいても、データや情報を共有する際に信頼がカギとなる。産学官の連携を進めるにあたり、日本は信頼のおける重要な国である。

チェコは、欧州大陸の中心に位置するという物流拠点としての魅力に加え、高度なスキルを持った労働力を有している。現在、国際競争力の維持のため、デジタル化およびイノベーションの促進、研究開発の強化に取り組んでおり、日本からの研究開発拠点への投資を歓迎する。デジタル化について、イノベーションハブとなることを目指しており、AIや宇宙、サイバーセキュリティー、ナノテクノロジーといった最先端技術に注力している。補助金による支援も手厚い。また、エネルギー分野では再生可能エネルギーや原子力発電の拡大を進めており、小型モジュール炉(SMR)や水素の研究開発について、日本と協力していきたい。企業がスムーズに事業活動を行うことができるよう、行政手続きのワンストップ化など、ビジネス環境の整備に引き続き努めていく。

【国際経済本部】

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