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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月13日 No.3598 香港の現状と日港経済連携拡大の展望 -日本・香港経済委員会

ヤウ氏

池田委員長

経団連は6月19日、日本・香港経済委員会(國部毅委員長、池田潤一郎委員長)を開催し、訪日した丘応樺(アルジャーノン・ヤウ)香港特別行政区商務経済発展長官から、最新の香港情勢について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 香港が誇る高い安定性と信頼性

ビジネスにおいて安定性は非常に重要である。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界で事業の不確実性が高まり、香港では、街頭で市民による暴動等が発生した。これを止めるのは政府の責任であり、香港政府は国家安全維持法の施行により安定性と社会秩序を回復した。市民は通常の生活を取り戻し、事業活動は活況を呈している。

ビジネスには信頼性も不可欠である。信頼性は抽象的な概念であり、安定性と比較して構築が難しい。信頼は獲得するまでに時間を要し、小さなことで揺らぎ得る。香港市民が日本を信頼するように、日本企業には香港を信頼してほしい。さまざまなことが発生したが、外資系企業はいまだ香港に寄り添っている。香港で活動する外資系企業約9000社のうち1400社は日系企業であり、中国本土の企業を除けば日系企業が最多である。

外国人および外資系企業は香港で自由と権利を享受できる。これは香港の成功の核心であり、今後もこれを守り抜く。

■ RCEP加盟への期待

香港にとって海外とのつながりは欠くことができない。香港に進出した企業は、域内市場にも目を向けている。香港は航空および海上交通のネットワーク、自由度の高いビジネス環境、国際的でプロフェッショナルなサービスとノウハウ、都会的な文化を有しており、ビジネスにとって最適な地である。

中国本土、ASEAN、豪州、ニュージーランドとの間で自由貿易協定を締結している。現在は地域的な包括的経済連携(RCEP)協定への加盟を目指している。日本がRCEPに加盟する目的は、地域における経済連携の強化ならびにルールに基づく秩序の構築にある。香港の加盟はその目的にかなうものである。

香港は地理的にRCEP加盟国の中心に位置し、貿易および物流の結節点であるため、同加盟国に対し、サプライチェーンの強化、効率的な貿易投資環境等を提供できる。しかも自由港であり、関税がかからない。輸出入品目の一部に許認可が必要だが、それは相手国からの要求または公衆衛生や治安上のニーズに基づくものである。香港はWTOおよびAPECのメンバーとして、活発に活動している。香港のRCEP加盟に支援をお願いしたい。

【国際協力本部】

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