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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年7月20日 No.3599 物流施策をめぐる現状と課題 -鶴田国交省公共交通・物流政策審議官から聴く/ロジスティクス委員会

経団連は6月28日、東京・大手町の経団連会館でロジスティクス委員会(池田潤一郎委員長、長澤仁志委員長)を開催した。国土交通省の鶴田浩久公共交通・物流政策審議官(当時)から、物流施策をめぐる現状と課題について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 物流を取り巻く状況

トラック運送事業従事者の労働時間は全職業平均より約2割長く、賃金は約1割低い。こうした背景からトラックドライバーの成り手不足は深刻であり、物流分野の人手不足の一因となっている。また物流業界におけるその他の課題として、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、二酸化炭素排出量削減の取り組みも欠かせない。

こうした物流が抱える諸課題の解決に向けて、政府は21年6月に「総合物流施策大綱(2021~2025年度)」を閣議決定し、それに基づいた施策を推進している。

■ 「物流革新に向けた政策パッケージ」の策定

24年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されることから、物流需給の逼迫が懸念される、いわゆる「2024年問題」が深刻な状況となっている。抜本的な対策を講じなければ24年度には14%、30年度には34%の輸送力が不足すると見込まれている。これに対応するため、政府は23年3月「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を開催し、岸田文雄内閣総理大臣が関係閣僚に対し、抜本的、総合的な対策の取りまとめを指示した。そこで、物流政策を担う国交省と、荷主を所管する経済産業省、農林水産省等の関係省庁で緊密に連携して検討を進め、6月2日に「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめた。具体的な施策は、次のとおりである。

  1. (1) 荷待ち、荷役時間等の削減や物流産業における多重下請け構造の是正に向けた規制的措置の導入等を通じて、非効率な商慣行を見直す。
  2. (2) 自動運転技術等を活用した物流デジタルトランスフォーメーション(DX)やパレットの標準化の推進等により、物流を効率化する。
  3. (3) 荷主企業の経営者層の意識改革、行動変容を促す規制的措置等を導入し、荷主・消費者の行動変容を促す。

政府は同政策パッケージとあわせて、物流の適正化、生産性向上に向けて荷主企業や物流事業者が取り組むべきガイドラインを公表した。加えて、物流の2024年問題は一過性ではなく構造的な問題であることから、中長期的に継続して取り組むための枠組みについて、24年度通常国会での法制化を視野に推進していく。

物流が直面する課題の解決は、物流事業者の取り組みだけでは難しい。物流の2024年問題をきっかけに荷主や消費者の関心も高まるなか、物流の革新を図るチャンスである。引き続き皆さまの協力をお願いしたい。

【産業政策本部】

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