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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年9月21日 No.3606 第69回北海道経済懇談会を開催

経団連と北海道経済連合会(道経連、藤井裕会長)は8月28日、札幌市内で「第69回北海道経済懇談会」を開催した。経団連からは、十倉雅和会長、冨田哲郎審議員会議長、副会長らが、道経連からは藤井会長をはじめ会員約180人が参加し、「北海道の明るい未来の実現を目指して」を基本テーマに意見交換した。また、経済懇談会に先立ち開催した昼食懇談会では、鈴木直道北海道知事から、エネルギー、デジタル、食に関する北海道の取り組みについて説明を聴くとともに道経連首脳を交え意見交換した。

経済懇談会の開会あいさつで道経連の藤井会長は、「次世代半導体拠点の千歳市進出は、千載一遇のチャンス。食と観光が中心の北海道において、新たな基幹産業と雇用機会の創出が大きく期待される」と述べ、北海道の明るい未来につながる動きが生じていることを強調した。

続いて、経団連の十倉会長は、「サステイナブルな資本主義」の実践に向けて、「成長と分配の好循環の実現」を目指すと表明。グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、分厚い中間層の形成、自由で開かれた国際経済秩序の再構築などに取り組むとの決意を示した。

■ テーマ1「DX・GXの推進」

まず、次世代半導体産業の集積と再生可能エネルギーの導入拡大に関して、道経連から問題提起があった。

これに対して、経団連から、

  1. (1)次世代半導体の量産には、人材の確保・育成や関連産業の振興、電力供給などの課題がある。そうしたなか、オール北海道でさまざまな取り組みが進められており、心強い(澤田純副会長)
  2. (2)DXを推進し、生活者に新たな価値をもたらすため、企業間をはじめ多様な主体の間でデータ連携を進める必要がある(東原敏昭副会長)
  3. (3)GXの実現には、再エネの主力電源化が必要。市況や地政学リスクに左右されにくい原子力発電の役割も極めて重要である(小堀秀毅副会長)
  4. (4)「資源制約の克服」「カーボンニュートラルへの貢献」「経済成長」などの観点から、サーキュラーエコノミーの実現に取り組むべき(野田由美子副会長)

――との発言があった。

■ テーマ2「北海道の魅力を活かした『食』と『観光』の振興」

次に、農業の競争力強化や観光の回復・高付加価値化について、道経連から問題提起があった。

これに対して、経団連から、

  1. (1)農業の生産性向上や食料安全保障の強化に向け、「国内生産基盤の強化」「輸出の強化」「環境問題への対応」の取り組みを推進すべき(安永竜夫副会長)
  2. (2)持続可能でレジリエントな観光への革新には、デジタル化の推進や、地域資源を活かした新たな観光コンテンツの展開などが必要である(太田純副会長)

――との発言があった。

■ テーマ3「北海道の地域と産業を担う人材の確保・育成」

続いて、人材の確保・育成について、道経連から問題提起があった。

これに対して、経団連から、中小企業や地域に根差した企業などの人材ニーズを質と量の両面から満たすことで、企業規模間や地域間の労働需給の偏りを解消する必要がある(小路明善副会長)との発言があった。

■ 2025年大阪・関西万博の成功に向けて

また、経団連の永井浩二副会長が「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)はインバウンド誘致のチャンスである。全国的な機運醸成に協力してほしい」と呼びかけた。

最後に、経団連の冨田審議員会議長が「半導体産業の創造や再エネの拡大は、北海道経済の活性化だけでなく、わが国全体の経済安全保障やDX・GXにもつながる。取り組みの一層の進展を期待する」と総括した。

北海道ボールパークFビレッジを視察

◇◇◇

翌29日、一行は北広島市の北海道ボールパークFビレッジを視察。冒頭、北広島市の上野正三市長およびファイターズスポーツ&エンターテイメントの小村勝社長のあいさつに続いて、同社からプロジェクトのねらいや目的などについて説明を聴いた。その後、実際に球場内外を見学し、ボールパークを核としたまちづくりについて理解を深めた。

【総務本部】

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