1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2023年10月5日 No.3607
  5. DEIシンポジウム「JOINnovator! LIVE」を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年10月5日 No.3607 DEIシンポジウム「JOINnovator! LIVE」を開催 -ダイバーシティ推進委員会

経団連ダイバーシティ推進委員会(魚谷雅彦委員長、柄澤康喜委員長、次原悦子委員長)は、博報堂の研究機関 University of Creativity (UoC) と共催のもと、9月6日に東京・大手町の経団連会館で「DEIシンポジウム“JOINnovator! LIVE”」を開催した。同シンポジウムは、「Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)」(DEI)を推進するうえで必要不可欠な“個人の意識改革”に着目したDEI啓発動画プロジェクト「JOINnovator!」の一環として開催したもの。同プロジェクトは、一人ひとりの創造性を引き出し、チームでイノベーションを起こしていくために必要なマインドセットやスキルセットについて、21回にわたるシリーズとしてYouTubeで配信。同配信を通して得られた内容を考察し公表するとともに、出演者による講演およびパネルディスカッションを実施した。経営トップをはじめ約400人が参加した。概要は次のとおり。

■ 基調講演「未来の価値をつくるダイバーシティ経営」
(魚谷審議員会副議長・ダイバーシティ推進委員長/資生堂会長)

魚谷副議長は、資生堂の人財に対する考え方“PEOPLE FIRST”を基に、自社の成長を牽引してきたのは、多様な“人”の力であると強調。多彩な背景を持つ人が集まるほど革新的な発想が生まれるのはもちろん、さらに新たな価値を顧客に提供できれば、会社の売り上げや利益の向上に寄与し、株主への還元へとつながっていくとともに、マルチステークホルダーを巻き込んだ好循環が生まれる、とした。

また、多彩な人が活躍できる組織文化・企業風土をつくり、組織能力を最大化するのは経営層の仕事であると言及。リーダー自身がこれまでの固定概念や常識を疑い、新しい着眼点・発想を大切にすることや、違う考えを持つ“出る杭”をたたえ、発言しやすい環境を醸成していくことなどが大切であると指摘した。

■ パネルディスカッション「DEIを体現するマインドセットとスキルセット」
(パネリスト=出雲充 審議員会副議長/ユーグレナ社長、工藤禎子 ダイバーシティ推進委員会企画部会長/三井住友フィナンシャルグループ執行役専務、篠田真貴子 エール取締役、宮田裕章 慶應義塾大学医学部教授、モデレーター=UoC 本橋彩氏)

続くパネルディスカッションでは、同プロジェクトを通して得られた考察“DEIをIDEAに”を紹介したうえで、(1)多様な人たちが相互に認め合い、ぶつかりつつも、真のチームになるための一つの準備「自分を知る」(2)三つの行動「観る」「聴く」「言う」――の側面から、登壇者が大切にしているマインドセットについて議論した。

出雲副議長は、自分を知るためには、「コンフォートゾーンを飛び出す」ことの重要性を強調。日々同じことを繰り返している日常から飛び出し、知らない自分に出会ったことが起業の原点、きっかけであり、アントレプレナーシップの醸成には、知らない自分に気づくことが必要だと提起した。

工藤部会長は、人を「観る」際に、(1)自分を柔らかくし、先入観やバイアスを取り除くこと(2)行動の背景にある、相手の生きてきた環境や歴史、経験などを受け止め、「他人の靴を履いてみる」こと――の2点を心がけていると言及。ときとして自己を貫き通す必要もあるが、相手の行動の背景まで観たうえで理解しようとすることが、よい関係を構築するための出発点であると指摘した。

宮田氏は、相手の意見を「聴く」際に、相手が大事にしているものを一緒に大事にし、共感することで、相手の考えに対する理解が深まると述べた。

また、篠田氏は、自分の意見を「言う」際に、主語はなるべく小さく、明確にすることが重要だとし、あくまで自分の意見であり、無意識に誰かの代弁者にならないように留意していると述べた。

◇◇◇

シンポジウム終了後には、参加者による活発なネットワーキングが行われた。なお、啓発動画および考察結果等の詳細については、JOINnovator! 特設サイトを参照。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

「2023年10月5日 No.3607」一覧はこちら