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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年10月5日 No.3607 サンチェス・MEDEFインターナショナル会長一行との懇談会を開催

サンチェス氏

経団連のヨーロッパ地域委員会(東原敏昭委員長、髙島誠委員長)は9月11日、東京・大手町の経団連会館で、フランス経団連(MEDEF)インターナショナル(MEDEFの国際交流部門)のフレデリック・サンチェス会長をはじめフランス企業関係者15人と懇談し、エネルギー分野における日仏産業協力の可能性について意見交換した。野田由美子副会長、髙島ヨーロッパ地域委員長、清水章同委員会企画部会長らが出席した。概要は次のとおり。

日本とフランスは共に2050年カーボンニュートラル実現を目標に、グリーントランスフォーメーション(GX)を最重要課題としている。MEDEFとしては、日仏企業間のビジネス協力の可能性を探っており、連携が期待される分野として、グリーンエネルギーに関する研究開発のほか、国際基準・ルール策定が挙げられる。これらの分野で日仏が世界をリードしていくことが期待される。

水素やアンモニアに関しては、「再生可能エネルギー由来」(再エネ由来)と、化石燃料を使用し排出されるCO2を回収・貯留する「低炭素由来」の国際的な規格がある。フランスは日本と同様に、再エネ由来だけでなく低炭素由来も推進しており、標準化に際しての連携が重要である。また、原子力発電についても日本とフランスは立場を共有している。22年にEUは、環境的に持続可能な活動を分類した「EUタクソノミー」に原子力発電も含めるとの決定を下した。原子力発電を活用して製造された水素(原子力由来)は再エネ由来とはみなされず、補助金拠出の対象とはならないが、少なくとも低炭素由来とみなされる。フランス以外に、EU加盟国ではチェコ、スロバキア、フィンランド、スウェーデンなど14カ国が原子力由来の水素を推奨する立場である。また、輸入された水素が再エネ由来と認められるためには、EU域内と同様の基準を満たす必要があるが、フランスの働きかけにより、再エネ比率が9割以上の国からの輸入は例外となった。現在、フランス政府は、国内における水素製造能力の強化だけでなく、国外における連携にも注力している。水素や原子力発電をはじめ、エネルギー政策で似た方針を掲げるフランスと日本が、技術開発、人材育成、国際ルールの整備について協力を深化させていくことが重要である。

【国際経済本部】

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