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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年11月30日 No.3615 経団連企業人政治フォーラムが講演会を開催 -中北 中央大学教授が講演

中北氏

経団連企業人政治フォーラム(片野坂真哉会長)は11月10日、オンラインで講演会を開催した。中央大学法学部の中北浩爾教授が「日本政治の現在と岸田文雄政権の展望」と題して講演した。主要会員企業から約170人が出席した。概要は次のとおり。

日本政治の変遷と岸田政権の今後を展望するうえで、野党、与党、政権の三つの要素に着目する。

■ 野党

足元の国政選挙では、新自由主義を掲げる日本維新の会や右派の参政党が躍進をみせている。次の衆議院議員選挙では、立憲民主党と日本維新の会との、野党第一党争いの行方が注目される。2015年の安全保障法制反対運動を契機に、野党共闘が始まったものの、現在では行き詰まりをみせている。野党が大きな塊となって政権交代を実現する可能性は非常に低いと考えられる。

■ 与党

自民党が「一強」となっている理由の一つには、依然として分厚い自民党の支持基盤が挙げられる。特に、強さの源泉となっている地方議員の後援会や、友好団体の支持が厚く、同時に、連立パートナーである公明党の高い集票力も「一強」の要因の一つである。

23年5月には、東京の選挙区の候補者擁立をめぐる自民党と公明党間の対立がみられたものの、両党とも自公連立の枠組みを引き続き堅持する意思が強いといえる。

■ 政権

安倍晋三政権のもとでは官邸主導で政策の意思決定がなされてきたが、岸田政権においては、直近23年9月の内閣改造・党役員人事にも表されるように、派閥重視や族議員の復活といった傾向が見て取れる。

足元で岸田内閣の支持率は下落傾向にあるが、支持率の低下は野党への政権交代ではなく、自民党内の疑似政権交代の促進要因と解釈すべきである。24年秋に実施予定の自民党総裁選挙を見据え、岸田首相としては、24年の通常国会の会期末等も念頭に、解散総選挙のタイミングを計っていくことになろう。

24年は、1994年の政治改革から30年となる。派閥・族議員中心で、権力分散型・政権交代のない55年体制下の政治から、官邸主導で、政権交代のある英国型の政治体制を目指した日本政治は、安倍自民党の「一強」の時代を経て、再び与党内での疑似政権交代をベースとする権力分散の政治体制へと揺り戻しが進んでいくことになるのか、注目したい。

【総務本部】

経団連企業人政治フォーラム(Keidanren Political Forum)のご案内

大臣や主要な政治家、有識者を招いた講演会の開催などを通じ、企業人の政治参加意識の高揚と、企業人と政治とのコミュニケーションの促進に努めています。
企業人の声で政治を変えるために、皆さまのご参加をお待ちしております。

◆ 入会のご案内は、ウェブサイトをご参照ください
URL: https://www.bpf.jp/

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