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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2024年4月11日 No.3633 特許出願非公開制度の開始に向けて -知的財産委員会企画部会

経済安全保障推進法における4施策の一つとして「特許出願の非公開」が掲げられている。政府は、2024年5月の特許出願非公開制度の施行に向けて法令を整備するとともに、同制度や損失補償に関するQ&A、適正管理措置ガイドラインを公表するなど、周知・広報活動を行っている。

そこで経団連は3月13日、東京・大手町の経団連会館で知的財産委員会企画部会(和田茂己部会長)を開催し、内閣府の北廣雅之参事官(特許出願非公開担当)と特許庁総務部総務課の千本潤介課長補佐から、特許出願非公開制度について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 特許出願非公開制度における審査の流れ

特許庁は、特定技術分野に属する発明が記載されている特許出願を内閣府に送付する(第一次審査)。

これを受け内閣府では、国家および国民の安全を損なう事態を生ずる恐れの程度や、発明を非公開とした場合に産業の発達に及ぼす影響等を考慮して、保全指定すべきか否かを判断する(第二次審査)。

■ 「適正管理措置ガイドライン」「損失の補償に関するQ&A」(23年12月公表)

特許出願の非公開制度に関する内閣府令では、発明が保全指定された場合に情報の流出を防止する観点から、事業者単位で適正管理措置を講じるよう求めている。「適正管理措置ガイドライン」には、主として、(1)組織的管理措置(2)人的管理措置(3)物理的管理措置(4)技術的管理措置――を定めている。それぞれのポイントは次のとおり。

(1)組織的管理措置

保全情報管理責任者の指名、管理簿の整備、保全対象発明情報を営業秘密として取り扱うこと等

(2)人的管理措置

情報取扱者の範囲の限定(範囲は必要最小限とすること)、情報取扱者の追加時の確認、情報取扱者の規程遵守、情報取扱者への教育および訓練

(3)物理的管理措置

取扱・保管区域の特定および立ち入りの管理・制限、保全対象発明情報文書等の複製または製作において遵守すべき事項等

(4)技術的管理措置

電子計算機上のアクセス制限、不正アクセスの防止措置等

また、経済安全保障推進法に規定されている損失補償の考え方を示すものとして、損失の補償に関するQ&Aも公表している。Q&Aでは補償の概要と対象・範囲等を示している。適宜参照してもらいたい。

■ 外国出願禁止(第一国出願義務)・第一次審査

この部会の場でかねて説明してきたとおり(23年6月15日号既報)、安全保障上機微な発明の特許出願については、保全指定により公開を留保する仕組みや外国出願制限等が措置される。

出願者は、日本への第一国出願もしくは外国出願の禁止に関する事前確認によって、出願予定の発明が外国出願禁止の対象となるかを知ることができる。明細書等に記載された発明のうち、外国出願禁止の対象ではない発明については、第一次審査・第二次審査中も外国出願は可能であるが、各審査期間中は優先権証明書の発行が留保される。一部発明が保全指定された場合は、保全対象発明をマスクして優先権証明書を発行する。

第一次審査は特許出願から3カ月以内に実施する。出願から3カ月経過しても通知が発せられない場合には第二次審査に付されないことが判明する。ただし、第二次審査に付されるか否か少しでも早く知りたい場合には、送付しないことを判断した旨の通知を求める申し出を行うことも一案である。

【産業技術本部】

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