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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年5月15日 No.3682 経団連企業人政治フォーラムが講演会を開催 -齋藤衆議院議員が講演

齋藤議員

経団連企業人政治フォーラム(片野坂真哉会長)は4月10日、東京・大手町の経団連会館で講演会を開催した。主要会員から約230人が出席。齋藤健衆議院議員が講演した。概要は次のとおり。

■ 国際社会の地殻変動

米国・トランプ大統領の就任後、国際社会には大きな地殻変動が生じている。特に貿易に関して、相互関税の名のもと、各国に高税率の関税賦課を打ち出すとともに、一部関税の90日間の停止措置を発表するなど、第1次政権時と同様に各国と「ディール」する特徴的な外交を展開している。また、世界各国の防衛・安全保障のなかで、ロシアとの戦闘が続くウクライナへの対応からは、「世界の警察」であり続けてきた米国の変質がうかがえる。

他方、中国は、習近平国家主席体制のもと、覇権を目指す姿勢を続けており、米中両大国が目指す方向性は、今後の国際社会の構図を大きく変える可能性がある。

■ わが国の対応

「国難」ともいえる難しい情勢下において、わが国として戦略的な対応が求められる。

当面の重要課題は、90日の関税停止措置の間の交渉への対応である。関税は、逆進性のある税であることを踏まえると、米国が各国に課す高関税は、今後、米国民の生活に大きな影響を与えることが予想される。そうしたなかで、日本は、拙速に交渉を妥結することなく、ある程度時間をかけて交渉することを想定すべきである。そもそも日本の対米投資額は世界最大であり、さまざまな形で米国経済に貢献している。「日米間に経済問題は存在しない」というのが私の認識である。しかし、トランプ大統領の理解は異なり、トランプ大統領が掲げる「米国の復権」という世界観に寄り添うストーリーを提示しながら、粘り強く交渉していくことが肝要である。同時に、有事への対応という観点から、政府、与党、経済界が従来以上に連携を深め、一丸となって対応していくことが重要である。

トランプ大統領の人物像がよく分かる一冊として、『トランプ自伝』という彼が40代の頃に書いた本を紹介したい。ディールを好む姿勢をはじめ、現在の政策に通ずる考えが多数記載されている。ぜひ近くの書店で手に取っていただきたい。

私のライフワークの一つは、時代とともに消えゆく「街の本屋」を守る活動である。書店の魅力は、何といってもその一覧性にあり、予期せぬ一冊との出合いが視野を広げ、その人の人生を変えることさえある。「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」(書店議連)を立ち上げ、取り組んでいる。書店は、わが国の文化を支える重要な存在である。多くの方にその重要性を再認識いただき、応援してもらいたい。

◇◇◇

講演後には、米国との関税交渉や、今後の対中外交のあり方、4月開幕の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)などを巡り、質疑応答が交わされるなど、活発な意見交換が行われた。

【総務本部】

経団連企業人政治フォーラム(Keidanren Political Forum)のご案内

大臣や主要な政治家、有識者を招いた講演会の開催などを通じ、企業人の政治参加意識の高揚と、企業人と政治とのコミュニケーションの促進に努めています。
企業人の声で政治を変えるために、皆さまのご参加をお待ちしております。

◆ 入会のご案内は、ウェブサイトをご参照ください
URL: https://www.bpf.jp/

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