
十倉会長

伊藤氏
経団連(十倉雅和会長)と国公私立大学のトップから成る「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(座長=十倉経団連会長、伊藤公平就職問題懇談会座長・慶應義塾長)は5月9日、東京・大手町の経団連会館で第9回会合を開催した。大学教育や人材育成に関する昨今の課題を巡り、意見交換した。また、2024年度に新たに設置した「博士人材に関する産学協議会合」における博士人材の育成・活躍推進に向けた議論について中間報告するとともに、「産学協議会 活動総括」と「採用・インターンシップ分科会 2024年度の検討成果」から成る24年度報告書を取りまとめ、同日公表した。24年度報告書のポイントは次のとおり。
■ 今後のわが国における就職・採用活動のあり方
「採用・インターンシップ分科会」では、23年度から今後のわが国における就職・採用活動のあり方をテーマに意見交換を実施している。24年度は産学が検討を深める課題として合意した、(1)卒業・修了年度における秋・冬採用、既卒採用(卒後就活)(2)キャリア教育――について議論を深掘りした。
その結果、(1)では「卒業=即就職」という固定観念を見直し、秋・冬採用や既卒採用の前向きな活用を促すメッセージの発信や産学官による取り組みを推進すること、(2)では就活対策用の自己分析ではなく自身のキャリア意識を深めるというキャリア教育の本来の意義を学生に丁寧に伝え、納得・共感してもらうことが重要――という点で、産学が一致した。
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本会合をもって、常設の会議体としての同産学協議会を発展的に解消する。今後は、産学が合意するテーマに応じて柔軟に「産学協議会合」を開催し、産学間の対話を重ねていく。
25年度は、「博士人材に関する産学協議会合」において24年度に引き続き検討を行い、博士人材の育成・活躍の推進に向けて「産学が目指すべき姿と具体的な取り組み」を年度末までに取りまとめる予定である。
【教育・自然保護本部】